実演記録「平家」第一回の実施

リハーサル(手前はアドバイザーをお願いした薦田治子氏)
本番撮影の様子(左:日吉章吾氏、中央:田中奈央一氏、右:菊央雄司氏)

 「平家」(「平家琵琶」とも)は、盲人の琵琶法師が『平家物語』を琵琶伴奏で語る日本の伝統芸能の一つですが、室町時代に全盛期を迎えて以後徐々に衰退し、今では正統な継承者が一人になってしまいました。そこで無形文化遺産部では、「平家」の語りの技術を次世代に継承、普及すべく2015年より研究と演奏を行っている「平家語り研究会」(主宰:薦田治子武蔵野音楽大学教授)の協力を得て、1月15日に東京文化財研究所の実演記録室で記録撮影を行いました。
 撮影記録を行ったのは、伝承曲《紅葉》、復元曲《小督》(三重から下リ冒頭まで)、復元曲《敦盛》(冒頭口説)、復元曲《祇園精舎》です。「平家語り研究会」は、気鋭の地歌箏曲演奏家・菊央雄司氏、田中奈央一氏、日吉章吾氏が、平家研究の第一人者・薦田治子氏とともに客観的な裏づけに基づく「平家」の復元を行っていることも大きな特徴なので、今後とも、伝承曲だけでなく復元曲の記録もアーカイブしていく予定です。

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