ユネスコ無形文化遺産保護条約第12回政府間委員会への参加

第12回政府間委員会の会場の様子

 12月4日から9日にかけて、大韓民国済州島にてユネスコ無形文化遺産保護条約第12回政府間委員会が開催され、本研究所からは3名の研究員が参加しました。
 近年は政府間委員会での議題数も増えてきている傾向にあるため、昨年までより1日長い6日間の会期となりました。本年の委員会では、新たに6件の遺産が「緊急保護リスト」に、33件の遺産が「代表リスト」に記載されました。なお本年は日本から提案された遺産はありませんでした。
 また議題15「緊急事態下における無形文化遺産」の議論においては、日本代表団から、本研究所が取り組んでいる「無形文化遺産の防災」の事例と、アジア太平洋無形文化遺産研究センター(IRCI)が取り組んでいる「アジア太平洋地域の自然災害・武力紛争下における無形文化遺産の保護」の事例が紹介されました。また本研究所は、無形文化遺産部が2017年3月に作成した冊子『無形文化遺産の防災(Disaster Prevention for Intangible Cultural Heritage)』を会場内で配布しました。
 国際的にも、いかに自然災害などから無形文化遺産を保護するのかという課題が注目を集めています。そうした中で本研究所は、東日本大震災後の文化財レスキューや311復興支援・無形文化遺産アーカイブスの構築といった、災害に対する文化遺産の保護について多くの経験を蓄積してきました。こうした本研究所の成果を国際社会に還元し貢献することは、本研究所にとっても重要な役割であると考えています。

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