第7回美術図書館の国際会議(7th International Conference of Art Libraries)への参加

3日の会場ストロッツィ宮殿の外観

 2016年10月27日から28日の3日間にわたって、イタリアのフィレンツェで美術図書館の国際会議が開かれました。この隔年で開催される国際会議は、欧米の美術図書館長らで構成される委員会(the Committee of Art Discovery Group Catalogue)が主催しているもので、世界の美術図書館の専門家100名近くが参加して行われました。
 発表や報告は、主催者が運営している美術分野に特化したさまざまな資源の一括検索システム「Art Discovery Group Catalogue」(http://artdiscovery.net/)に関するプロジェクトなどを中心に、各国の美術図書館が取り組んでいる最新の事業の紹介など多岐にわたり、非常に充実した内容でした。
 「Art Discovery Group Catalogue」は、15か国の美術図書館が参加して始まった美術書誌のプラットフォーム「artlibraries.net」が発展的に解消してできた検索システムです。アメリカ合衆国のNPOで世界各国の大学や研究機関で構成されたライブラリーサービス機関OCLC(Online Computer Library Center, Inc.) が運営するWorldcat (https://www.worldcat.org/) を活用して世界の主要美術図書館が参画する共同国際事業で、2014 年に立ち上げられました。
 東京文化財研究所は、本年度このOCLCに、日本で開催された展覧会の図録に掲載される論文情報を提供することになっており、来年度にはこうした当研究所のもつ情報が世界最大の図書館共同目録「WorldCat」や、OCLCをパートナーとする「Art Discovery Group Catalogue」で検索することができるようになります。
 今後も美術図書館や美術書誌情報をめぐる国際的な動向を注視しながら、当研究所が果たすべき役割を見定め、研究プロジェクトに活かせるよう努める所存です。

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