世界遺産ヤングプロフェッショナルフォーラム2024への参加


令和6(2024)年7月14日~23日にかけて、インドの首都ニューデリーにて第46回世界遺産委員会の一環として開催された、「世界遺産ヤングプロフェッショナルフォーラム2024」に文化遺産国際協力センターアソシエイトフェロー・金子雄太郎が参加しました。
同フォーラムは、ユネスコ世界遺産教育プログラムの代表的な取り組みとして、世界中の若者と文化遺産・自然遺産の専門家の交流を通じた異文化理解や交流の促進、遺産保護における若者の新たな役割の模索を目的としています。今年度のフォーラムでは、3,500名を超える応募者の中から選出された、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、中南米、太平洋諸島の計31か国、50名(インドより20名、他30か国より30名)の参加者が、世界遺産に係る課題や機会についてそれぞれの国や専門の視点から意見を出し合いながら議論を行いました。「21世紀における世界遺産-若者のための能力向上と機会の探求-」のメインテーマのもと、気候変動、革新的技術、コミュニティ、持続可能な観光という4つのキーワードに関連したプログラムとして、博物館やタージ・マハル等の世界遺産への訪問、専門家による講義、参加者間での議論と発表等、世界遺産を様々な角度から学ぶ大変充実した内容でした。プログラムの最後には、本フォーラムで得られた知識と経験を基に、世界遺産に係る若手専門家からの提言をまとめた声明文を作成し、世界遺産委員会の場にて発表しました。
アフリカや中南米の国々では、若手という立場であっても世界遺産登録や保護・管理の現場の責任者として、遺産が直面している様々な問題の解決に向けて積極的な役割を担っていることを知り、同じ世代の一人として大変刺激を受けました。一方で、それらの国々からの参加者の多くが、世界遺産に登録された文化遺産や自然遺産においても資金や人材の不足による脆弱な保護体制が常態化していることを指摘しており、日本による文化遺産分野での国際協力もこのような国々にさらなる支援を差し伸べていくことが求められていると感じました。今後の世界遺産保護を担うべき若手専門家の一人として、これら世界遺産に係る現状を周知していくとともに、自身も国内外の遺産保護の一助になれるよう努めていきたいと思います。
世界遺産ヤングプロフェッショナルフォーラムに関するユネスコのウェブサイト
https://whc.unesco.org/en/youth-forum/