こども文化遺産ワークショップ「なりきり!エジプト考古学者」の開催

真剣に話を聞く子どもたち

壁画のポーズを真似て、身体を動かしリフレッシュ

原寸大のピラミッドの通路模型を通る様子

VRゴーグルを付け、遺跡探訪体験を楽しむ様子
東京文化財研究所では、今後を担う次世代にも文化遺産への興味関心を持ってもらうための試みとして、「こども文化遺産ワークショップ」を開催しました。
文化遺産国際協力センターアソシエイトフェロー・山田綾乃が企画、運営を担当した初回のワークショップは、令和5(2023)年4月30日午前、小学生を対象に「ピラミッド」をテーマとして開催しました。当日は33組、小学生36名、総勢90名を集めました。
プログラムの前半では、エジプト現地で発掘経験のある2名の講師(福田莉紗氏・早稲田大学大学院博士後期課程/山田綾乃)が、ピラミッドの歴史と、ピラミッドを作った人々の暮らしについての授業を行いました。教科書には書かれていない、考古学や歴史学の研究で明らかになった事柄を盛り込み、子どもたちが日常や学校生活と比較して古代文明をより身近に想像できるよう工夫しました。
後半では座学を離れ、体験・体感型の2つのプログラムを用意しました。1つは、ゴーグルを付けて遺跡のVR映像を楽しむ体験。もう1つは、ピラミッド内部のバーチャルツアーを見ながら、原寸大で再現されたピラミッドの通路を通ったり、棺に入ったりしてみるというものです。使用したアプリケーションやウェブサイトは、自宅でも閲覧、体験が可能です。ワークショップの限られた時間だけでなく、自宅でも体験を継続し、何度も復習する機会を与えることで、学習の効果的な定着に結び付くことを目指しました。
今回のような次世代に向けた取り組みも調査研究の延長線上に位置づけ、こども文化遺産ワークショップの第2弾も企画したいと考えています。