第2回こども文化遺産ワークショップ開催

ワークシートに取り組む子供たち
記号の法則をたよりに立体パズルを組み立てる様子

 東京文化財研究所では、文化遺産に対する次世代の興味関心の拡大を目的に、昨年度より小学生を対象とした文化遺産ワークショップを開催しています。第2回目となった7月27日(土)の会には25名の小学生とその家族、総勢70名以上が参加しました。
 前回に引き続き古代エジプトの文化遺産をテーマとし、今年度は新たに、ピラミッドの建造順を並べ替えるワークシート、発掘調査の紹介、古代エジプトの船に関する研究成果を反映させた立体パズルといったプログラムを実施しました。それぞれのプログラムは、考古学の編年の仕組みに触れることや、遺跡の発見から調査研究・保存修復の実際の手順を学ぶこと、古代エジプトで使用された文字の意味や、船を造る際の工夫を知ることなどをねらいとしており、学術的な研究の一端に遊びながら触れ、学ぶことができます。立体パズルでは、実際に木造船の組み立てに使用された番付システムを簡易化し、ヒエログリフや数字に込められた法則を考えながらパズルの前後左右や並び順を判断するという仕組みにしました。
 このようなワークショップは、文化的・歴史的遺産のミステリアスな側面に対する子供たちの関心の向上や、新たな気付きや学びの機会の提供だけでなく、親世代にも文化遺産研究の成果とその背景や意義を理解していただく好機となります。今後も調査研究成果をもとにした研究機関ならではのワークショップを開催して参ります。

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