国際学術会議『ペルジーノとフィレンツェ』の開催

学会のプログラム
会場「フリーニョの食堂」の様子

 ペルジーノ(本名:ピエトロ・ヴァンヌッチ)は、イタリアのルネサンス期を代表する画家のひとりです。バチカンのシスティーナ礼拝堂にも壁画を描くなど数多くの芸術作品を残し、若きラファエロの師でもあった彼は、「神のごとき画家」として賞賛されました。そんなペルジーノがこの世を去ってから、令和5(2023)年は没後500年にあたり、イタリア国内外で数多くの展覧会やシンポジウムが開催されました。
 この流れを汲み、東京文化財研究所は、エリオ・コンティ歴史学協会、イタリア国立研究会議-文化遺産科学研究所、文化省フィレンツェ美術監督局、南スイス応用科学芸術大学と共催で、フィレンツェの「フリーニョの食堂」を会場とする国際学術会議『ペルジーノとフィレンツェ』を令和6(2024)年5月14日と15日の2日間にわたり開催しました。美術史学や歴史学、文化財保存学などの分野やから専門家が集まったこの会議は、ペルジーノに関連する研究発表を通じて改めてこの偉大なる画家の価値を見つめ直そうとするものです。プログラムの中では、フィレンツェに残る2つの壁画作品を対象にした学際的技術研究についても発表を行い、今後の保存修復や維持管理のあり方について議論しました。
 今後は、会場となったフリーニョの食堂にペルジーノが描いた最後の晩餐を対象に、科学的な調査等を通じ、現地専門家と協力しながら、今後のより良い保存のあり方について研究を進めていきます。

to page top