拠点交流事業モンゴル:アマルバヤスガラント寺院での建造物修復研修ワークショップ

レクチャーの様子
現場での調査の様子
調査結果を発表し評価する様子

 モンゴルにおける拠点交流事業の一環として、8月18日から29日までの日程で、日本より4名の専門家を派遣し、北部セレンゲ県のアマルバヤスガラント寺院において木造建造物の保存修復に関する研修ワークショップを開催しました。これは、同国における木造建造物の保存修理技術向上を目的として、東京文化財研究所とモンゴル教育・文化・科学省(MECS)とが共同で企画した2009年度ワークショップの第2弾です。
 モンゴル国立科学技術大学建築学科の学生を対象として、保存修理設計に必要な事前調査と計画作成の基本的方法を習得させることが、ワークショップの目的でした。座学ではモンゴルと日本における文化財建造物の修理と調査の方法などについて学び、現場実習では同寺院の伽藍内にある建物の実測等を行いました。80年代の同寺院修復に際してユネスコから派遣された日本の社寺木工技術者も講師に加わり、調査・製図・計画の具体的方法等を実習することができました。
 歴史的木造建造物に実際に触れて調査するのは初めての学生たちでしたが、現場の体験を通じて建物の「見方」が形成されてゆく過程がみてとれました。文化財建造物を専門とする人材が不足するモンゴルにおいて、木造建造物保存の今後を担っていく確かな意欲を感じさせた学生たちに、大いに期待が持たれるところです。

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