第23回国際文化財保存修復研究会の開催

総合討議

 10月8日、43名の参加を得て、第23回国際文化財保存修復研究会「遺跡はなぜ残ってきたか」を開催しました。 遺跡保存を考える際には、傷んでいる部分が特に調査され、その劣化原因が研究されるのが一般的ですが、今回は敢えて良好な状態で保存されている遺跡について、その遺跡がなぜ今も残っているかを検討することから、傷んでいる遺跡の今後の保存を考えることを目指しました。発表は、イタリア・ローマ文化財監督局のパオラ・ヴィルジッリ氏による「アウグストゥスのパンテオンとハドリアヌスのパンテオン―将来的な保存のための調査、発掘、研究、診断―」、鳥取県埋蔵文化財センターの原田雅弘氏による「青谷上寺地遺跡の保存環境」、インドネシア大学のチェチェプ・エカ・プルマナによる「インドネシア・南スラヴェシの洞窟壁画」の3件で、その後、総合討議が行われました。それぞれの遺跡が残されてきた経緯や科学的な条件などを理解することから、今後の遺跡保存に向けた有用な情報が参加者の間で共有されました。

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