文化財保存修復国際研修に関する研究会の開催

討議の様子

 文化遺産国際協力センターでは2月2日・3日の2日間にわたり、「海外の文化財保存修復専門家養成を目的とする国際研修等の実施に関する研究会」を、東京文化財研究所会議室にて開催しました。本研究会は、当センターが行っている「諸外国の文化財保護に係る人材育成」事業の一環として、国際研修のより効果的かつ実践的な実施に向け、国内外の研修実施機関との情報共有および意見交換の場として企画したものです。途上国を中心とする外国からの研修生を対象とした保存修復技術や能力開発の研修に焦点をあて、プログラムの具体的内容や教授方法、さらには研修成果の評価法や問題点などについて、海外4機関および東文研を含む国内3機関の担当者から報告を受けたのち、これらを踏まえて参加者による意見交換を行いました。
 研修実施事例の分析を通じて、いくつかの共通課題が浮き彫りとなりました。主なものとしては、研修事業自体のマネージメント、研修の継続性とプログラム同士の相互連携、研修情報の共有などが挙げられます。このようなテーマでの研究会は従来あまり行われてきませんでしたが、今後も様々な機会を通じて、研修方法の改善や多国間での相互連携の可能性などにつなげていきたいと考えています。

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