英国文化財保存修復学会(ICON, The Institute of Conservation)での発表

講演風景
ポストワークショップ風景

 2015年4月8日から10日に、The Institute of Conservation(英国保存修復学会。通称ICON)のBook and Paper Groupにより学会「Adapt & Evolve: East Asian Materials and Techniques in Western Conservation(適合と発展: 西洋の文化財修復における東アジアの材料と技術)」が、ロンドン大学ブルネイギャラリーを主会場として開催されました。
 学会は、ロンドン市内にある関係諸機関の視察、会議(発表およびパネル質疑)、各種ワークショップからなる充実したものでした。増田勝彦名誉研究員(現、昭和女子大学教授)、早川典子主任研究員、加藤雅人国際情報研究室長が、国際研修「紙の保存と修復」(JPC)、在外日本古美術品保存修復協力事業、文化財修復材料の適用に関する調査研究などのプロジェクト成果に関連して報告を行いました。また、翌日に行われたポストワークショップでは、早川典子主任研究員と楠京子アソシエイトフェローが、日本の修復分野における伝統的な接着材について解説し、特にデンプン糊に関しては製法の実演と実技指導を行いました。
 主催者によれば世界各国から300名ほどの参加者があったとのことですが、質疑応答中の座長から会場への質問で30名以上がJPC修了者であることが判明し、さらにその他にも当研究所主催のワークショップ修了者も確認できたことから、当該分野における当研究所が担ってきた役割の大きさが伺えました。また、今後も日本から情報発信を続けるよう、多くの参加者から要望がありました。

to page top