国際シンポジウム「考古学と国際貢献:バーレーンの文化遺産保護に対する日本の貢献」および「バーレーン考古学をめぐって」の開催

バーレーンに残るディルムンの古墳群
東京シンポジウムの講演者と参加者

 中東のバーレーンは、東京23区と川崎市をあわせた程度の小さな島国ですが、魅力ある文化遺産を数多く有しています。とくに今から4千年前頃には、バーレーンはディルムンと呼ばれ、メソポタミアとインダスを結ぶ海洋交易を独占して繁栄したことが知られています。この時代だけで7 万5 千基もの古墳が造られ、それらは19世紀末以来、多くの研究者を惹きつけてきました。この古墳群は、2019年にはユネスコの世界文化遺産にも登録されています。
 東京文化財研究所は長年にわたり、ディルムンの古墳群の史跡整備や発掘調査に協力してきました。そして、今年度からは新たに、バーレーンに残されている歴史的なイスラーム墓碑の保存にも協力を開始することとなりました。
 2022年は、日本とバーレーンの外交関係樹立50周年という記念の年にもあたります。そこでこのたび、本研究所は金沢大学古代文明・文化資源学研究所と共催で、国際シンポジウム「考古学と国際貢献:バーレーンの文化遺産保護に対する日本の貢献」(12月11日、会場:東京文化財研究所)と「バーレーン考古学をめぐって」(12月14日、会場:金沢大学)を開催しました。これらのシンポジウムでは、バーレーンの国立博物館館長のほか、バーレーンで発掘調査を行っているデンマーク隊、フランス隊、イギリス隊の隊長、日本の考古学や保存科学の専門家が一堂に会しました。
 東京のシンポジウムではバーレーンにおける各国による発掘調査の歴史や日本の専門家による発掘や保存修復活動が紹介され、金沢のシンポジウムでは各国隊による最新の発掘調査成果がおもに紹介されました。
 本研究所は、今後もバーレーンの文化遺産の保護に様々な形で協力していく予定です。

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