ゲッティ・センターの国際語彙協議会(ITWG)での発表

国際語彙協議会の会場

 令和2(2020)年2月6、7日にアメリカのロサンゼルスにあるゲッティ・センターで開催された国際語彙協議会(ITWG: International Terminology Working Group Meeting) において、「日本人の美術家たち:東京文化財研究所(Japanese artists, TNRICP)」と題して、現在、当研究所とゲッティ研究所との共同事業の一環として取り組んでいるゲッティ・ボキャブラリーズ(Getty Vocabularies)への日本美術家人名情報の提供、その途中経過を発表しました。 ゲッティ研究所が主導するITWGは、美術・建築シソーラス(AAT: Art & Architecture Thesaurus)、地理的名称シソーラス(TGN: Thesaurus of Geographic Names)、美術家人名総合名鑑(ULAN: Union List of Artist Names)、文化財名称典拠(CONA: Cultural Objects Name Authority)、図像典拠(IA: Iconography Authority)などのプログラムで構成される統制語彙集ゲッティ・ボキャブラリーズ(getty.edu/research/tools/vocabularies/)に関する共通のトピックを議論するグループで、おおむね2年に1度招集されています。今回の協議会には、アメリカ合衆国、台湾、ベルギー、ドイツ、ブラジル、イスラエル、クロアチア、アラブ首長国連邦、スイス、オランダなどから35名ほどの参加者が参集し、ゲッティ・ボキャブラリーズ各プログラム担当者から、その現状と機能拡張の進展等について報告があり、また参加機関から、ゲッティ・ボキャブラリーズへのデータ提供の先駆的な実践などについて発表が行われました。さらに、これらの報告・発表をうけ、ゲッティ研究所担当者や参加機関において共通する問題を挙げて議論を行うなかで、他国の参加者からも助言を得ることができました。
 日本の文化財を海外に外国語で紹介する際には、国際的な専門用語・人名辞典が不可欠ですが、ゲッティ・ボキャブラリーズは今日の技術と関係機関の連携によって実現しようとする取り組みです。これに当研究所が永年蓄積してきた日本美術家人名情報を提供することで、日本の文化財の発信、あるいは国際的な日本文化財研究の支援となることを目指しています。

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