第19回イコモス総会及び学術シンポジウムにおける参加・発表

総会の様子

 2017年12月11日から15日にかけて、インド・デリーで開催されたICOMOSの第19回総会に参加し、これに合わせて開催された学術シンポジウムで発表を行いました。
 今回の総会では3年に一度の執行委員会選挙が行われ、会長に河野俊行教授(九州大学)が選出されました。ICOMOSが1965年に設立して以降アジアで2人目、日本初の会長となります。河野教授は、無形文化遺産保護条約、奈良ドキュメント20周年記念会議、文化遺産リコンストラクション研究プロジェクトなど、文化遺産が直面している課題を多岐にわたる視点から考える取り組みに携われてきました。今後3年の任期での活躍が期待されます。
 また、本総会ではICOMOS木の国際学術委員会(IIWC)が作成した「Principles for the Conservation of Wooden Built Heritage」が採択されました。この文書は同委員会が1999年に作成した憲章を更新したもので、今回その内容がより具体的になるとともに、木造建築遺産の無形的な要素がより強調されるようになりました。
 さらに、若手専門家作業部会(EPWG)が若手専門家のICOMOSの活動への関与を活性化することを目的として作成した提案書が総会の決議として採択されました。
 一方、総会と同時に開催された学術シンポジウム「Heritage and Democracy」では、文化遺産の保護・管理・活用に関わっている地域コミュニティをはじめとする関係者・組織を保存のプロセスに積極的に参画させることを目指した取り組みについて、各国から紹介されました。日本におけるこのような取り組みの事例として、ヘリテージマネージャー制度について発表を行いました。

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