松澤宥アーカイブに関する研究協議会の開催

松澤宥アーカイブに関する研究協議会の様子

 3月14日、研究プロジェクト「近・現代美術に関する調査研究と資料集成」の一環として、松澤宥アーカイブに関する研究協議会を行いました。
 松澤宥(1922-2006)は、独自のコンセプトによる作品とパフォーマンスで知られ、東洋的な宗教観、宇宙観、現代数学、宇宙物理学等を組み入れながら思考を深め、そこから導き出された思想、観念そのものを芸術として表現した、日本だけでなく、国際的にみても「コンセプチュアル・アート」の先駆的な存在として語られる重要な人物です。この研究協議会は、一般財団法人「松澤宥プサイの部屋」(理事長松澤春雄氏)が取り組んでいる同アーカイブの概要とその整備活動について、関係者と共有し、研究資料としての価値を確認するために開催したものです。まず以下の発表・報告をしていただきました。嶋田美子氏(美術家)「松澤アーカイブ構築にむけて 現況2017年3月」、細谷修平氏(東北芸術工科大学映像学科研究補助員)「松澤宥関連フィルムの調査及びデジタイズの現状報告」、山村みどり氏(当研究所特別研究員)「草間彌生書簡―松澤宥アーカイブを通して見えて来る草間彌生像」、富井玲子氏(美術史家、ポンジャ現懇主宰)「アーカイブ研究における松澤宥アーカイブの位置」(以上、発表順)。またこの後に行われたディスカッションでは、戦後日本美術の専門家を交えて、松澤宥アーカイブ整備の課題、日本の戦後美術から現代美術の作家アーカイブズの散逸防止、さらには作家アーカイブズ収蔵専門機関の必要性などについて意見交換が行われました。

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