無形文化遺産(伝統技術)の伝承に関する研究会III「現在に伝わる明治の超絶技巧」の開催

泉屋博古館分館での見学会の様子

 平成28(2016)年10月17・18日にかけて公益財団法人泉屋博古館との共催で無形文化遺産(伝統技術)の伝承に関する研究会Ⅲ「現在に伝わる明治の超絶技巧」を開催しました。本研究会では、明治時代の工芸の中でも、特に陶芸分野の有田焼に焦点をあて、1日目は東京文化財研究所での講演とセッション、2日目は東京藝術大学大学美術館の「驚きの明治工芸」展及び泉屋博古館分館の「有田焼創業400年記念 明治有田 超絶の美 -万国博覧会の時代-」展の見学会を行いました。
 1日目は、「有田焼創業400年記念 明治有田 超絶の美 -万国博覧会の時代-」展に携わる先生方をお招きし、明治時代の有田焼が現在へどのように継承されてきたのかを再検証しました。その後、「明治工芸を現在に活かす」というテーマを掲げ、他の工芸分野の専門家も交えてセッションを行いました。
 近年、明治工芸の精緻な技術が注目され、多くの展覧会が開催されています。我々は現在に受け継がれてきた明治時代の工芸品を通じて、明治時代の「工芸技術」=「無形文化遺産」にアプローチすることができます。今後、有形と無形を分断せず、相互に補完しあいながら研究することが求められるのではないでしょうか。無形文化遺産部では、今後も今日の無形文化遺産保護への関心が高まるような議論の場を設けていきます。

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