島﨑清海旧蔵資料の目録公開及び閲覧提供開始

版画を教える島﨑清海(2011年撮影)
島﨑清海旧蔵資料の一部(2024年撮影)

 この度、「島﨑清海旧蔵資料」の目録を東京文化財研究所のウェブサイトに公開し、資料閲覧室で当該資料の閲覧提供を開始しました(事前予約制)。美術教育者の島﨑清海(1923~2015)が保管していた創造美育協会関係資料は、ご遺族の意向で令和5(2023)年3月当研究所に寄贈されました。
 創造美育協会(以後「創美」)は、昭和27(1952)年に設立された民間による美術教育団体で、島﨑は昭和32(1957)年から昭和47(1972)年まで創美の本部事務局長を務めていました。彼は、退任後も根気強く同協会の活動を見守り、後世に残す努力を続け、創美の初期から2000年代にかけて資料を保管していました。そのことを伝える資料として、初期の創美会員・浅部宏をはじめ数名の談話がまとめられた島﨑私製の冊子(島﨑資料A-531)には、「創美創立当時のことを知る人が少なくなり、今、記録を残しておかなくては、それを後世に伝えることができなくなる」と記し、関係者に冊子を配布していました。創美の活動を後世に伝えることを誰よりも島﨑が望んでいました。
 「島﨑清海旧蔵資料」の受贈後、資料の閲覧提供に向けた準備が、文化財情報資料部近・現代視覚芸術研究室長・橘川英規と元研究補佐員・田村彩子の助言で進められ、アシスタント・鎌田かりん氏と神尾雛希氏、元アシスタント・田口ことの氏が資料整理を担当しました。資料は、「A.創造美育協会発行資料類」「B.書簡」「C.スケジュール帳・日記」に分類し、計19個の保存器材で保管しています。
 ご遺族並びに関係者皆様のご尽力を賜わり、このようなかたちで後世につなぐことが出来たことを心より感謝申上げます。島﨑の熱意のこもった資料が、少しでも多くの人の目に触れ、国内外の美術教育等の研究がより盛んになることを切に願っています。

◆資料閲覧室利用案内
東文研_資料閲覧室利用案内 (tobunken.go.jp)
アーカイブズ(文書)情報は、このページの下方に掲載されています。実際の資料は資料閲覧室でご覧いただけます(事前予約制)。

◆島﨑清海旧蔵資料
(archives_Shimazaki_Kiyomiö w.xlsx (tobunken.go.jp)

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