書庫改修の完了


東京文化財研究所では、各研究部門が収集してきた図書・写真等資料などを、おもに資料閲覧室と書庫で保管し、資料閲覧室を週3日開室し、外部の研究者に対しても閲覧提供しています。
当研究所が平成12(2000)年に現在の庁舎に移転してから24年ほどの間、図書・写真等資料は日々収集され、近年では旧職員や関係者のアーカイブズ(文書)をご寄贈いただく機会も増えました。そのように所蔵資料が充実していく一方、遠くない将来、書架が飽和状態となる可能性が問題となりました。この状況に対して、このたび「アーカイブ増床・保存環境適正化事業」の一環として、電動式書架の設置工事などを行いました。
去る令和4(2022)年度に、庁舎2階書庫の床面積1/4分のスペースの固定式書架を電動式書架に取り替え、さらに今回の工事では、その残り(床面積3/4分)のスペースに設置されていた固定式書架を、電動式書架に取り替えました。令和6(2024)年1月11日に着工したのち、書籍の搬出、固定式書架の撤去、電動式書架用レールの敷設、電動式書架の設置、書籍の再配架という工程を経て、3月27日に改修工事が完了しました。固定式書架16台(1,900段、書架延長1,615m)が設置してあったスペースに、新たに電動式書架29台(3,500段、書架延長2,975m)を設置したことで、その収容能力はおよそ1.8倍となりました。また、この事業では、併せて除湿機のリプレイス、写真フィルム保存のためのキャビネットの導入も行いました。
工事期間中、外部公開を一時停止したことにより、資料閲覧室の利用者のみなさまには、ご不便をお掛けいたしましたことをお詫び申し上げます。今回の書庫整備によって、引き続き、文化財研究に資する専門性の高い資料を継続的に収集し、それらを後世に伝え、有効に活用していくための活動を展開してまいります。今後とも、当研究所の文化財アーカイブズをご活用いただけましたら幸甚です。