研究会「屋外等の木質文化財の維持管理」

10月6日研究会風景

 保存修復科学センターでは、文化財の生物劣化対策の研究の一環として、平成20年10月6日、研究所セミナー室において表記の研究会を行いました。今回は「屋外等の木質文化財の維持管理 問題点と今後」をテーマに、寺社等建造物や木彫像の管理の生物被害上の最近の問題点について、奈良県教育委員会の神田雅章氏から、わかりやすく、かつ明確な問題提起をいただきました。また、京都大学の藤井義久氏(当研究所客員研究員)から、文化財建造物の劣化診断と維持管理体制の課題について、的確なご指摘をいただきました。九州国立博物館の本田光子氏からは、屋外で公開された文化財などを博物館内で展示・収蔵する際の対応について具体的なお話をいただきました。さらに、建築家の河上信行氏より、「弥生時代等の復元建物における維持管理の現状と課題」についてお話いただき、吉野ヶ里遺跡などを例に、非常に掘り下げた議論を行う機会となりました。屋外の木質文化財の保存には、難しい問題が山積しており、今後、プロジェクトの中で具体的方策を検討していく所存です(参加者79名)

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