保存担当学芸員フォローアップ研修

石崎センター長による講義

 この研修は、毎年実施している「美術館・博物館等保存担当学芸員研修」の修了生を対象に、資料保存に関する最新の研究やトピックスをお伝えするもので、今年は6月22日、69名の参加者を得て開催しました。
 今回は資料保存の現場をとりまく、最近の2つの大きな流れをもとにテーマを設定しました。ひとつは、地球温暖化が懸念され、省エネ化があらゆる所で求められている現在における内外の文化財施設の取り組みについて、石崎保存修復センター長が講義を行いました。
 また、大学における学芸員課程が改訂され、3年後より「資料保存環境論」が必須となります。これは今後、学芸員には資料保存に関する自然科学的な知識が例外なく要求されることを意味します。これを踏まえ、保存環境論のうち「温湿度」「空気環境」「照明」に関する最新の基礎に関する講義をそれぞれ、犬塚主任研究員、佐野保存科学研究室長、そして吉田が担当しました。
 どちらの内容も、参加者の皆様にとっては、自身のフィールドに直接かかわる問題だけに、真剣そのものでした。と同時に、我々にとっても保存環境を研究する機関の人間として、責任ある研究と情報提供を心掛けねばならないと実感した今回の研修でした。

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