タイ・スコータイ遺跡での日タイ共同研究

スリチュム寺大仏

 東京文化財研究所は、タイ文化省芸術局とタイの文化財の保存に関する共同研究を行っており、9月14日~16日、共同の現地調査を行いました。スコータイ遺跡のスリチュム寺院には、煉瓦の芯に表面を漆喰で仕上げた高さ15m余りの仏像があります。その表面にはかつてコケ類や藻類が繁茂していましたが、11年前の撥水処理により、しばらくの間はきれいな状態を保っていました。しかし、近年再び藻類などによる汚れが部分的に目立つようになったため、その対策について仏像自体の観察やサンプルを設置しての実験、微気象の観測などにより検討を行っています。今回はスリチュム寺院でのこのような活動のほか、周辺の遺跡での観察も実施し、特に、覆屋を遺構に設置した場合の効果や欠点について検討を行いました。

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