拠点交流事業モンゴル:ヘンティ県所在の石質文化財保存修復に関する研修

赤外線温度計による岩石表面温度の計測実習
(セルベン・ハールガ遺跡)
過去の発掘坑を利用した地層はぎ取りの実習
(アラシャーン・ハダ遺跡)

 8月下旬に、文化庁委託文化遺産国際協力拠点交流事業の一環として、モンゴル文化遺産センターの専門家を対象とする石碑・岩画の保存に関する現地ワークショップを、奈良文化財研究所の専門家とともに実施しました。昨年に引き続き、ヘンティ県のセルベン・ハールガおよびアラシャーン・ハダで行ったワークショップでは、石質文化財の保存方法検討のために必要な、石の材質や劣化状態、周辺環境に関する一連の調査を行い、またモンゴル側の専門家と共同で作業することを通じてその具体的方法を伝えていきました。これと併せて、モンゴル側から要望のあった地層はぎ取りの実習も行いましたが、これは同国では初めてのことだそうです。
 今後も引き続き、保存処理実験やその評価方法に関する研修を日本やモンゴルで実施するとともに、国内外の機関と連携を図ることによって、対象遺跡に関する理解を深め、より適切な保護手法について検討していく予定です。

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