大エジプト博物館保存修復センタープロジェクト 招聘研修

東文研内における保存科学機器分析研修(日本電子株式会社による最新ハンドヘルド蛍光X線分析計の研修)
カビ相談センターにおけるIPM研修(防カビ試験の研修)

 文化遺産国際協力センターでは、国際協力機構(JICA)が行う大エジプト博物館保存修復センター技術支援プロジェクトへの協力を続けています。
 9月14日から10月7日(一部の研修は9月24日)までの日程で、大エジプト博物館保存修復センターに所属するエジプト人保存修復専門家6名を日本へ招聘し、稼働し始めた現地のセンター内の現状と問題に対応すべく、3つの研修を並行して実施しました。
 「保存修復マネジメント」研修(9月24日まで)では、大エジプト博物館保存修復センター館長代理のオサマ氏がセンター運営管理の向上のために、九州国立博物館、国立民族学博物館、奈文研および正倉院事務所の視察や管理責任者との議論を行いました。
 「保存科学機器分析」研修では、保存科学者3名が九州国立博物館や国立歴史民俗博物館および東文研での講義と実習を通して、保存修復における機器を利用した分析の手法、目的に応じた機器の選択、保存修復への応用に関する知識と技術を学びました。
 また、「IPM(微生物)」研修では微生物ラボに所属するエジプト人専門家2名が、NPO法人カビ相談センターに加え、国立医薬品食品衛生研究所と大阪府立公衆衛生研究所で、カビやバクテリアの培養、分離、同定などを行いました。
 保存科学機器操作や保存修復技術の習得だけでなく、保存修復の各分野が連携、補完して仕事を行えるよう、今後とも継続的に研修を行う予定です。

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