福島県旧警戒区域から救出された文化財の保管環境調査と放射線対策の実施

放射線汚染物質の除塵清掃実験
放射線量計測方法の講習

 福島第一原子力発電所事故により、周辺環境が放射性物質で汚染された双葉郡双葉町・大熊町・富岡町の資料館から救出された文化財は、最終的には福島県文化財センター白河館「まほろん」の仮保管庫内で保管されています。
 保存修復科学センターでは「まほろん」学芸員に協力して、これらの保管環境の整備を目指す調査を継続しています。3月25-26日には温湿度調査に加え、一部の救出文化財について表面汚染密度計測を行い、ほとんどの資料は放射線物質による汚染がないことを確認しました。わずかに高い数値を示す資料については、包装袋の取り換えやミュージアムクリーナーを使用した除塵清掃を実施し、前・後の放射線量の計測結果から、その効果を検証しました。さらに救出文化財の管理にあたる学芸員には表面汚染の計測方法の講習を実施して手順を習得してもらいました。「まほろん」ではこれから順次、すべての救出文化財についての計測記録を行っていく予定です。

to page top