第28回ICCROM総会

総会での審議の様子

 2013年11月27日から29日にかけてイタリア・ローマで開催されたICCROM(International Centre for the Study of the Preservation and Restoration of Cultural Properties)の第28回総会に本研究所より所長の亀井伸雄、川野邊渉、境野の3名が参加しました。ICCROMは、1956年のUNESCO第9回総会で創設が決議され、1959年以降ローマに本部を置いている政府間組織です。ICCROMは動産、不動産を問わず、広く文化遺産の保存に取り組んでいますが、本研究所では特に紙や漆の保存修復の研修を通じてその活動に貢献してきました。
 総会は2年に1度開催されており、今回の総会では、13名の理事が任期満了に伴い、改選されました。その結果、任期が継続する12カ国(アラブ首長国連邦、アルジェリア、カナダ、韓国、ギリシア、グアテマラ、スウェーデン、中国、チュニジア、日本、ブラジル、フランス)に加え、アメリカ、インド、エジプト、スイス、スーダン、スペイン、タンザニア、チリ、ドイツ、バーレーン、フィリピン、ベルギー、メキシコから新たな理事が選出されました。また、総会ではICCROMの財政状況を改善させる必要があるとの認識が加盟国間で改めて共有されました。日本はアメリカに次ぐ額の拠出金を負担しており、この問題を深刻に受け止めています。今後もICCROMの活動を継続できるよう、新しい理事会を中心に具体的な検討がなされることを期待しています。

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