ワークショップ「日本の紙本・絹本文化財の保存修復」の開催

基礎編における書の実習
応用編における屏風作製

 本ワークショップは在外日本古美術品保存修復協力事業の一環として毎年開催しています。本年度は7月3~5日の期間で基礎編「Japanese Paper and Silk Cultural Properties」を、8~12日の期間で応用編「Restoration of Japanese Folding Screen」をベルリン博物館群アジア美術館で行いました。
 基礎編では、制作-表具-展示-鑑賞という、文化財が制作されてから私たちの目に触れるまでの過程に倣い、原材料としての紙・糊・膠・絵具、日本の書画の制作技法、表具文化、取扱いまでの講義、デモンストレーション、実習を行いました。
 応用編では装潢修理技術による屏風の修復に関して、実習を中心にワークショップを行いました。受講者は、何層もの紙から成る屏風の下地や和紙の蝶番を実際に作製し、それらの構造と役割を理解し、屏風修復に要する知識・技術の深さを体感しました。
 本ワークショップを通して、一人でも多くの海外の修復技術者に本場の材料と技術を理解する機会を提供することで、海外にある日本の有形文化財、絵画、書跡と和紙作りや装潢修理技術といった無形文化財の理解を広めていきたいと考えています。

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