第7回無形民俗文化財研究協議会の開催

研究協議会の様子

 10月26日、第7回無形民俗文化財研究協議会「記憶・記録を伝承する―災害と無形の民俗文化」が開催されました。昨年12月に開催された第 6 回協議会「震災復興と無形文化―現地からの報告と提言」に引き続き、本年も災害と無形民俗文化財をテーマとし、より踏み込んだ議論を行ないました。
 無形の民俗文化財をどのように後世に伝えていくのかは平常時からきわめて重要なテーマのひとつですが、3.11による原発事故や津波によって離散や人口減少を余儀なくされている地域においては、特に差し迫った課題となっています。そこで協議会では、伝承のための手段のひとつである「記録」を取りあげ、震災後、様々な立場から記録に携わってきた5名の発表者と2名のコメンテーターをお招きし、これまでの取り組みや課題、展望についてご報告・討議いただきました。会の中では様々な記録の手法や活用の方法等が提示されたほか、それぞれの立場、働きを繋ぐネットワークの重要性が再確認されました。
 また今回の協議会には、今後大規模災害の発生が予想されている地域からも多くの関係者にご参加いただきました。こうした災害をはじめ、少子高齢化や過疎化など、無形民俗文化財を取り巻く近い将来の危機への備えとして、今何ができるのか、しておくべきかといったことも、今後検討すべき重要なテーマとして残されました。
 なお、協議会の全内容は2013年3月に報告書として刊行する予定です。

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