第11回文化遺産国際協力コンソーシアム研究会「ブルーシールドと文化財緊急活動-国内委員会の役割と必要性-」の開催

 2012年9月7日(金)に第11回文化遺産国際協力コンソーシアム研究会「ブルーシールドと文化財緊急活動‐国内委員会の役割と必要性‐」を開催しました。今回の研究会では阪神淡路大震災や東日本大震災から文化財を救った経験をふまえて、今後の我が国での文化財緊急保護活動を考える上での1つの視点としてブルーシールドに焦点を当てて議論を行いました。
 基調講演ではUSブルーシールド国内委員会のコリン・ヴェグナー代表をお招きし、アメリカでの国内委員会設立のご経験や、USブルーシールドによるハイチでの緊急支援活動などをご紹介いただきました。講演では東日本大震災後の文化財レスキュー(動産)や文化財ドクター(不動産)の活動、また図書館の防災など、我が国での文化財の緊急対応の現状が紹介され、問題点などが指摘されました。
 パネルディスカッションでは、それぞれの分野で緊急支援として何が必要とされているのか、またそのために日本で必要となっていくブルーシールドのあり方など、今後の我が国での緊急支援活動を考える上で非常に重要な議論が進められました。また、国内での緊急対応だけでなく、国際協力の観点からも日本の経験と技術を生かす必要があるとの指摘もなされました。
 今回の研究会は博物館、建造物、図書、歴史資料、フィルムなど幅広い分野の専門家が一堂に会してブルーシールドとは何かを議論する初めての研究会でありましたが、今後日本での文化財緊急支援の将来を考える上でとても重要な一歩となる会合となりました。
 今後もコンソーシアムでは、最新の情報を共有する場として、幅広い内容で研究会を企画していきます。

to page top