ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)が実施する研修への協力

実演記録室における臨地研修

 公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター文化遺産保護協力事務所(奈良市)は、平成29(2017)年10月10日から11月3日にかけて「文化遺産の保護に資する研修2017:博物館等における文化財の記録と保存活用」を実施しましたが、本研究所の無形文化遺産部もこの事業に協力し、平成29(2017)年10月30日午後に本研究所にて「臨地研修:無形文化遺産の記録法」の講義を担当しました。講師は石村智・無形文化遺産部音声映像記録研究室長です。
 本研修には、大洋州地域から6名(フィジーから3名、パプアニューギニアから2名、ソロモン諸島から1名)の研修生が参加していました。いずれも博物館などで実務に携わる専門家です。講義では、まず前半で日本における無形の文化財の保護制度について解説し、後半では具体的な無形文化遺産の記録法について解説しました。後半では特に映像による記録法について説明し、実際に無形文化遺産部が作成している映像記録(講談の記録作成、木積の藤箕製作技術の記録作成など)を教材として使用しました。
 今回の研修生の出身地域である大洋州地域には、多様な無形文化遺産が存在するものの、その記録作成についてはまだまだ十分ではないとのことでした。特に無形の技術は動きをともなうものが多く、文字などによる記録では十分でないことが多いため、映像による記録法の重要性については大いに認識してもらったようでした。また質疑応答においても、「日本では口承伝承の記録はどのようにおこなっているのか」など、具体的な内容に及ぶものも多く、彼らの関心の高さを感じることが出来ました。
 これまで無形文化遺産部が培ってきた研究成果を、日本国内のみならず国外の文化遺産の保護にも貢献することができれば意義深いことであると実感しました。

/
to page top