特別陳列 海外の日本美術品の修復の開催と平成19年度の修復計画

並べられた平成18年度の修理作品
修理過程を図示・解説したパネル

 東京文化財研究所では、海外の美術館・博物館が所蔵する日本美術品の保存修復に協力するとともに、対象作品を所蔵館との共同で保存修復に関する研究を行っています。平成18年3月末に修復が完了した絵画5件『源平合戦図屏風』(6曲1双、オーストリア応用美術博物館)、『洛中洛外図屏風』(6曲1双、カナダ、ロイヤル・オンタリオ美術館)、『保元物語図屏風』(6曲1隻、チェコ、ナープルステク博物館)、『明皇蝶幸図屏風』(4曲1隻、チェコ、プラハ国立美術館)、『見立反魂香図』(歌川豊春筆、1幅、同)、工芸品1件『山水人物蒔絵箪笥』(1基、スペイン国立装飾美術館)について、4月20日に開催された在外日本古美術品保存修復協力事業運営委員会でのお披露目を経て、その事業活動を広く知っていただくために5月15日から27日まで東京国立博物館平成館1階企画展示室において特別陳列を開催いたしました。
 平成19年度は絵画5件(うち、新規4件『日吉山王祭礼図屏風』〈6曲1双、アメリカ、ヒューストン美術館〉、『多武峯維摩会本尊図』〈1幅、アメリカ、キンベル美術館〉、『釈迦十六善神像』〈1幅、オーストラリア国立美術館〉、『花鳥図屏風』〈6曲1双、オーストラリア、ビクトリア国立美術館〉、昨年度よりの継続1件『阿弥陀三尊来迎図』〈1面、スイス、リートベルク美術館〉)と工芸4件(うち、新規2件『源氏九曜紋蒔絵箔箱〈1合、ハンガリー、ホップ・フレンツエ美術館〉、『楼閣山水蒔絵箱』〈1合、オーストリア応用美術博物館〉、昨年度よりの継続2件『花卉螺鈿ライティングビューロー』〈1基、ポーランド、クラコフ国立博物館〉、『楼閣山水螺鈿箪笥』〈1基、イタリア、キヨッソーネ東洋美術館〉)を日本において、また、ドイツ・ケルン東洋美術館に開設している海外修復工房において工芸2件(新規1件『花円文虫蒔絵阮咸』〈1面、オーストリア、ウィーン国立民族学博物館〉昨年度からの継続1件『花樹鳥獣蒔絵螺鈿洋櫃』〈1基、ドイツ、ケルン東洋美術館〉)を対象作品として、保存修復事業を進めています。

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