アジャンター石窟壁画の保存修復に関する調査研究事業-第1次ミッション報告

携帯型蛍光X線分析計を用いた顔料の非破壊分析
彩色の試料採取

 東京文化財研究所は、文化遺産国際協力拠点交流事業「東京文化財研究所とインド考古局との壁画保存に関する拠点交流事業」における第1次ミッションを、平成21年2月12日から3月15日にかけて派遣しました。
 アジャンター石窟には、前期は紀元後1世紀まで、後期は5世紀後半から8世紀頃までに描かれた、貴重な仏教壁画が数多く残されています。しかし壁画を保存する上では、石窟が開鑿されている岩盤の強度の問題、雨水などの浸入、こうもりの糞や油煙に起因すると思われる黒色付着物など、バーミヤーン石窟壁画にも共通する様々な問題が残されています。これらの問題に対処するため、第1次ミッションでは、インド人保存修復家と共同で調査を行い、保存修復材料および技術に関する知識・経験を共有し、人材育成・技術移転を図ることを目指しました。
 具体的な調査内容としては、壁画の保存状態の記録作業(写真撮影、石窟の簡易測量、状態調査)、環境調査のための温湿度計(データロガー)の設置、壁画の編年および技法材料に関する調査(試料採取、赤外線・紫外線写真撮影、携帯型蛍光X線分析計を用いた非破壊分析)、そしてコウモリの糞尿害の調査を実施しました。

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