横山大観《山路》(永青文庫蔵)、修理後の調査撮影

横山大観《山路》(永青文庫蔵)、調査撮影の様子

 これまでの「活動報告」でもたびたびお知らせしたように、企画情報部では研究プロジェクト「文化財の資料学的研究」の一環として、横山大観《山路》の調査研究を永青文庫と共同で進めています。同文庫が所蔵する大観の《山路》は、明治44年の第5回文部省美術展覧会に出品され、大胆な筆致により日本画の新たな表現を切り拓いた重要な作品です。同作品が今春に修理を終えたのを機に、寄託先の熊本県立美術館で5月12日に城野誠治(東京文化財研究所)による高精細画像の撮影、および三宅秀和氏(永青文庫)、林田龍太氏(熊本県立美術館)、小川絢子氏、塩谷純(東京文化財研究所)による調査を行いました。
 《山路》ではザラザラとした岩絵具が多用されているのが特色ですが、従来の図版ではなかなかそこまで確認できるものはありませんでした。今回の撮影による画像は、そうした絵肌のニュアンスまでよく伝えており、くわえて部分の高精細画像は2010年秋に行った蛍光X線分析の成果とあわせ、使用された顔料についての検証に役立つものと期待されます。これらの研究成果は今年8月の研究協議会を経て、今年度中に一書にまとめてご報告する予定です。

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