ミッシェルタピエ来日

1958年03月

フランス美術評論家ミッシェル・タピエが、大阪国際芸術祭に参加する産経時事新聞社主催の「新しい絵画世界展(アンフォルメルと具体)」の選者として20日来日した。

中津川周辺窯跡調査

1958年03月

日本陶磁協会では岐阜県中津川市周辺に多数散在している鎌倉時代から江戸時代までの窯跡の発掘調査を行うこととなり、20日頃から予備調査を行つた。 

大善寺日光菩薩発見

1958年02月

山梨県大善寺の薬師三尊のうち日光菩薩は、昭和22年盗難により紛失し捜査中であつたが、26日現所有者の申出をうけた同寺住職によりその存在が確認された。同像は木造漆箔で重要文化財に指定されている。 

太田道灌像除幕式

1958年02月

開都500年を記念して、東京都が建設した太田道灌像(ブロンズ)の除幕式が、24日建立地の都庁前で行われた。像は左手に弓を右手に鞭をもつた狩衣姿の等身大立像で製作は朝倉文夫が当つた。 

恩腸賞日本芸術院賞

1958年01月

昭和32年度(第14回)恩腸賞並びに日本芸術院賞が決定し、21日発表された。美術部門は次の通りである。なお授賞式は5月26日学士院講堂において、天皇陛下臨席の下に挙行された。 恩腸賞 菅楯彦 「永年の日本画活動と業績」に対し。 日本芸術院賞 第1部(美術部門) 日本画 森白甫 13回日展「花」に対し。 望月春江 同「蓮」に対し。 洋画 中野和高 13回日展「少女」に対し。 彫塑 松田尚之 13回日展「女性」ほか。 鋳金 山室百世 13回日展「鋳銅平足扁壷」に対し。 

衆議院予算第2分科会で文化財保護条約を追求

1958年01月

17日の衆議院予算第2分科会で、社会党の野原覚委員は、4年前調印しながら批准せぬまま放置されている「武力紛争の際の文化財保護に関する条約」の問題を取上げ文化財保護委員会の態度を追求した。同条約は文化財を戦争から守るためユネスコ本部の肝入りで去る29年5月日本を含める50カ国が参加してハーグで調印されたものである。野原委員の質問に対し岡田文化財保護委員会事務局長は、いままでは大国の加入するまで待つつもりであつたが、その後ソ連、フランスも加入したので準備にかかるつもりだが、いつ批准出来るかはつきりいえない。特別保護の対象は少数に限られるので、京都、奈良は幾つかのセンターにわけることなどを考慮中との返答を得た。 

高村光太郎賞(第1回)

1958年01月

高村光太郎記念会では、第1回高村光太郎賞の受賞を次の通り決定した。同賞は高村光太郎全集の印税をもとにして、詩と造型の二部門を対象に新設されたもので、忌日の4月2日に授賞式が行われ、受賞者に木の盆に「いくら回されても針は天極をさす」と彫つたものをブロンズにした記念品と賞金各10万円が贈られた。なお、高村光太郎記念会の理事長は高村豊周、造型部門選考委員は今泉篤男木内克菊池一雄高田博厚谷口吉郎土方定一本郷新である。造型部門の第1回受賞者は柳原義達(昭和32年度の作品)と決つた。 

新槐樹社結成

1958年01月

一線美術創立会員岩井弥一郎、千木良富士、石川久三郎、横山嘉平等に旺玄会々員堀田清治等は6日新たに新槐樹社を結成し、公募団体として発足した。 

日本古美術展の美術品発送

1958年01月

欧州巡回日本古美術展に出品される美術品143点は厳重な梱包を施してフランス船ベトナム号に積荷され、27日横浜港を出航した。 

ヨーロッパ巡回日本現代絵画展

1958年01月

外務省、国立近代美術館、毎日新聞社主催になるヨーロッパ巡回日本現代絵画展は4月15日ローマ開催を振り出しにドイツ、フランス、ユーゴスラヴィア、エジプト、イランなど6カ国、11都市を巡回し、日本美術の理解を深めた。42作家の日本画、洋画、版画作品109点が送られ、21日から日本橋高島屋で国内展示会が行われた。 

毎日美術賞(第9回)

1958年01月

昭和32年度第9回「毎日美術賞」の授賞が決定し、次の通り発表された。 福沢一郎 第4回日本国際美術展出品作「埋葬」(油絵)その他の制作活動(賞金10万円) 浜口陽三 第4回日本国際美術展、第1回東京国際版画ビエンナーレ展など国内展での活動および57年度サンパウロ・ビエンナーレ展での版画大賞受賞など国際的活躍(版画)(特別賞5万円) 

新日本工業デザイン(第6回)の入賞

1958年01月

毎日新聞社提唱による32年度第6回「日本工業デザイン」の入賞が決定し、次の通り発表された。特選1席ナショナル・テレビ、鶴岡英世他2名。特選2席新三菱ルームクーラー、善入正英他2名。特選3席日立ポータブルテレビ、曽根靖史他2名。同3席ナショナル電気カミソリ、小池晃他1名。(以上各賞金特選1席通産大臣賞並に副賞50万円、特選2席同30万円、特選3席東京都知事賞副賞10万円)

汎太平洋賞(1回)

1958年01月

米国建築家協会で、昨年設立百年を記念して設定した「汎太平洋賞」の最初の受賞者は丹下健三に決定した。同賞は太平洋地域の建築家の中からすぐれた仕事をした人を毎年1人選んで表彰するものである。尚授賞式は本人出席のもとに24日ハワイで行われた。 

国立近代美術館休館

1957年12月

国立近代美術館では増築工事のため、今月より明年三月まで休館することになつた。 

ミラノトリエンナーレ展の受賞

1957年12月

七月下旬から一一月上旬まで、イタリヤ、ミラノで開かれたトリエンナーレ国際工芸展で日本の河井寛治郎作品「扁壺」がグランプリを獲得した。なおその他でも金賞に鈴木表朔「湯筒」、川上治助「二月堂お盆」、渡辺力「陶器腰掛」、銀賞丸和商店「土びん」。インダストリアル・デザイン銀賞柳宗理、展示室構成銀賞板倉準三等によるトリエンナーレ展会場構成等がある。

アジアアフリカ展

1957年12月

日本経済新聞社では三日から一五日まで日本橋高島屋に於いて、アジア・アフリカの歴史の中で興亡した諸文明と、その時代の特色を示す美術品を集めて一般に公開した。

ヨーロッパ展歓送特別展

1957年11月

東京国立博物館では明年欧州各地で開催される日本古美術展の発送が迫つたので、歓送のいみをかねて出品物の特別展を三〇日から一二月五日まで開催した。

仮宮殿の装飾品を依嘱

1957年11月

宮内庁では、宮内庁三階の改修成つた皇居仮宮殿の装飾用置物と、我国の伝統的美術工芸を保護奨励する意味から重要無形文化財保持者とこれに準ずる作家の作品を採用することになり二九日その氏名を発表した。 陶芸-石黒宗麿今泉今右衛門、加藤土師萌、楠部弥一、近藤悠三、酒井田柿右衛門、清水卯一富本憲吉磯井如真音丸耕堂黒田辰秋高野松山、田所芳哉、松田権六 金工-鹿島一谷香取正彦二橋美衡 人形-鹿児島寿蔵堀柳女

新象作家協会創立

1957年11月

美術文化協会を脱退した岩間正男、浅利篤らの会員を中心に、広く作家の参加をもとめて、新象作家協会が創立された。

朝日広告賞入選作決定

1957年11月

昭和三二年度朝日広告賞第一部作品の入選が決定し、二三日発表された。 新聞広告用デザイン、朝日広告賞(賞金三〇万円)島田光雄(日本電建)、準朝日広告賞(賞金各五万円)岩永泉(寿屋)、青野健、内藤京-神戸市の合作(中央公論社)、河口恭一郎、川崎智生-守口市の合作(福助足袋) 広告写真、朝日広告賞(賞金三〇万円)藤田圭一(花王石鹸)、準朝日広告賞、(賞金各五万円)海老原一雄(第一生命)、海老原正子(森永乳業)、吉田秀也(第一生命)

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