文化財保護委員会で功労者を表彰

1959年12月

文化財保護委員会では大場信続、中村竹四郎の2名を文化財功労者として表彰することを19日発表した。大場信続は居宅代官屋敷と所蔵の古文書などを自力で保存していたためで、中村竹四郎は文化財を対象とした印刷に功労あり、日本の古文化財を世界に紹介した功績をみとめたもの。 

重要文化財建造物の新指定

1959年12月

文化財保護委員会は12日、建造物に関して、新に重要文化財に16件を新指定した。長崎県の眼鏡橋、安養寺宝塔などが含まれている。

朝日広告賞決定

1959年12月

新聞広告を明るく、たのしいものにしようという運動のひとつ、34年度「朝日広告賞」の受賞作品が14日発表された。(受賞一覧67頁参照)応募点数は新聞広告用デザイン3694点、広告写真1527点、計5221点、また第2部の(完成された新聞広告)は298点に達した。

毎日工業デザイン賞決定

1959年11月

毎日新聞社の1959年度、第8回毎日工業デザイン賞は19日、特選以下入選作17点の他、スポンサー賞20点を決定した。 特選1席 テープレコーダー(ソニー)斎藤正 2席 オートバイ・スズモペット 菅原辰雄、小森康弘、豊川慶 3席 アマノ・タイムスタンプ 富川和雄、中山正治、吉川和隆、篠康雄 同3席 トヨタ家庭用ミシン GKインダストリアル・デザイン研究所 準特選 トランジスターラジオ(日立) 橋本多紀子、ブラザー家庭用糸毛編機 上田マナツ、多田愛美他3名 授賞式は12月12日で商業デザイン賞授賞と合同で行われる。

安井賞受賞者決定

1959年11月

第3回安井記念賞の受賞者が13日東京京橋の国立近代美術館でひらいた選考委員会で自由美術家協会の中本達也に決定した。 受賞作品は「群れ」。なお、安井賞候補新人展は同館で12月13日まで開かれた。

毎日商業デザイン賞決定

1959年11月

毎日新聞社主催の第27回毎日商業デザイン作品募集は、9月末で締切つたが、第1部一般公募の作品総数3534点、A(新聞広告デザイン1902点)、B(ポスターデザイン1632点)の多数に上り、これと第2部スポンサーの参加作品を審査の結果、17日別記の通り受賞者を発表した(受賞一覧68頁参照)審査員は伊藤憲治、金丸重嶺、亀倉雄策、衣笠静夫、久保田孝、竹岡リヨウ一、早川良雄、藤本倫夫、池島信平、山崎隆夫である。

文化勲章受章者並びに文化功労者決定

1959年11月

34年度文化勲章受章者は10月27日の閣議で、川端竜子、小泉信三、丹羽保次郎、里見弴、吉田富三の5名と決定、また、文化功労者には上記文化勲章受章者のほか、市河三喜、伊藤誠哉、上野直昭、河村巳之助、辻永の5名、計10人が決まつた。授章式は11月3日文化の日に行われる。

毎日芸術賞毎日芸術大賞設定

1959年11月

毎日新聞社では、東京本社発行の本紙3万号を記念して、毎日芸術賞を設定することを決めた。この賞は、年間を通じて優秀、かつ新鮮な業績をあげたと認められる芸術家を選んで贈るものであるが、その中から更に、優秀なもの1件を選出して毎日芸術大賞を贈ることとなつた。なお従来の毎日美術賞、音楽賞、演劇賞は取り止めと、8日発表した。対象は、文学、美術、音楽、演劇、写真、舞踊、映画、放送などと広範囲にわたり、毎年1月1日から12月末日迄に発表されたものから選出される。大賞は100万円、芸術賞2件各20万円。

正倉院宝物展

1959年11月

1日-20日於東京国立博物館 皇太子殿下御結婚を記念して、北、中、南の3倉、聖語蔵及び仮庫の代表的宝物を選んで出陳した展観で、141件の宝物が陳列された。いずれも正倉院宝物の粋で、連日盛況のうちに終了した。

浦上天主堂再建

1959年11月

昭和20年8月9日に原爆で破壊された長崎市の浦上天主堂は、内外の信者から寄せられた寄金で昨年6月から再建に着工していたが、このほど完成し、1日に献堂式が行われた。新天主堂は工費5,000万円、旧天主堂の形を復元、内部正面には、ベルギーで作られたステンドグラス「昇天のマリア像」がはめられた。

二科会はパリのコンパレゾン展覧会と交換展を契約

1959年10月

二科会では、パリのコンパレゾン展覧会代表者ボルド・ルペックと交換展の契約を行つた。二科会の作家50人の作品を選んで来春フランスでの同展に送り陳列する。一方フランス側の作品は来秋の二科展に2室分展観紹介しようという。コンパレゾン展は絵画・彫刻の綜合グループで様々な傾向の作家を含んでいる。

雑誌「デザイン」創刊

1959年10月

美術出版社では、デザイン関係の専門誌として月刊「デザイン」を企画、10月創刊号を発行した。

川合玉堂記念館くわ入式行われる

1959年10月

晩年を東京都青梅市沢井上分に住み、去る32年逝去した川合玉堂の業績を永久に記念しようと玉堂記念館の建設がすすめられていたが、このほど、東都知事の手でくわ入式が行われた。32年秋結成された玉堂会(名誉会長高橋誠一郎、会長榎戸米吉青梅市長)が中心となつて計画が進められている。

ベルギー第2回国際陶芸展で受賞

1959年10月

ベルギーのオステンド市で開催されていた第2回国際陶芸展で八木一夫が金賞、浜田庄司が銀賞をうけた。ジュネーヴに本部をもつ国際陶芸協会の主催で2年ごとに行われる展覧会で、同協会の日本代表小山冨士夫のすすめで外務省が代表作家の作品を買上げ、更に在外公使館の所蔵作品を加えて25点出品したものである。

紫綬褒章受賞者

1959年10月

学問、芸術の発明、改良創作に寄与した功労者20人に27日紫綬褒章が贈られることになつたが、美術関係の人は (版画複刻)川面義雄 (評論出版)下中弥三郎 (古建築修理)岸熊吉 (童画)武井武雄 (建築学)内藤多仲 (人形研究)西沢笛畝 (金工修理)藤島三郎 (浮世絵版元)渡辺庄三郎 授賞式は11月3日文化の日に行われる。

西本願寺蔵国宝三十六家集展

1959年10月

15日-29日於根津美術館。日本経済新聞社・根津美術館共催、西本願寺の宝物三十六人集の展観である。平安貴族芸術の粋をあつめたこの家集は、料紙の美しさと文字の美しさが調和して更に一段と美的効果をあげている。王朝文化を考える上からも必見の催しであつた。

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