第40回サントリー学芸賞受賞者決定
2018年11月第40回サントリー学芸賞(主催:サントリー文化財団)の受賞者が16日に発表、美術関係では芸術・文学部門で京谷啓徳(九州大学大学院准教授)の『凱旋門と活人画の風俗史 儚きスペクタクルの力』が受賞した。
第40回サントリー学芸賞(主催:サントリー文化財団)の受賞者が16日に発表、美術関係では芸術・文学部門で京谷啓徳(九州大学大学院准教授)の『凱旋門と活人画の風俗史 儚きスペクタクルの力』が受賞した。
日本芸術院(院長:黒井千次)は30日、芸術活動に顕著な功績があったとして新たに2名を同院新会員に選出したと発表、洋画の馬越陽子、評論・翻訳の芳賀徹が選ばれた。12月15日付で柴山昌彦文部科学相により発令された。
平面美術の若手作家を奨励するVOCA賞の受賞者は「アテネ・長野・東京ノ壁ニアルデアロウ摸写」を制作した東城信之介に決定したことが19日に発表された。VOCA奨励賞は石場文子「2と3、もしくはそれ以外(祖母の家)」とチョン・ユギョン「Let’s all go to the celebration square of victory!」、佳作賞は遠藤薫「ウエス」と目「アクリルガス」、大原美術館賞は喜多村みか「TOPOS」がそれぞれ選ばれた。受賞作等を展示するVOCA展2019は2019年3月14日から3月30日まで東京都の上野の森美術館で開催された。
環太平洋地域の国々による経済の自由化を目的とした多角的な経済連携協定である環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定)の締結と、それに伴うTPP整備法による著作権法の改正により、30日付で著作権等の保護期間が著作権者の死後50年から70年へと延長された。
文化審議会は16日、甲府城跡(甲府市)等9件を史跡に、旧益習館庭園(兵庫県洲本市)を名勝に指定、会津飯盛山白虎隊士墳墓域(福島県会津若松市)等3件を登録記念物に登録、宇和海狩浜の段畑と農漁村景観(愛媛県西予市)を重要文化的景観に選定するよう柴山昌彦文部科学相に答申した。また登録有形文化財として、吉田五十八の設計による旧吉田茂邸サンルーム(神奈川県大磯町)等185件の建造物を登録することも求めた。
写真家木村伊兵衛の業績を記念し、優れた新人写真家に贈られる木村伊兵衛写真賞(主催:朝日新聞社、朝日新聞出版)の第43回目の受賞者が16日に発表され、小松浩子と藤岡亜弥に決定した。対象作は小松が展示「人格的自律処理」他、藤岡が写真集『川はゆく』他。
世界遺産一覧表への登録の可否を事前に審査する国連教育科学文化機関(ユネスコUNESCO)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモスICOMOS)は5月、日本政府が推薦していた「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎県、熊本県)について、世界遺産一覧表への登録を勧告した。これを受けて6月30日、バーレーンの首都マナマで開催されていたユネスコの第42回世界遺産委員会で、文化遺産として世界遺産一覧表に登録することが決定した。
前年に優れた成果を挙げた写真家に贈られる土門拳賞(主催:毎日新聞社)の第37回受賞者が潮田登久子に決定したことが16日に発表された。受賞対象は写真集『本の景色 BIBLIOTHECA』。
国立文化財機構に1日、文化財活用センター(センター長:旭充)が開設された。文化財の積極的な活用を打ち出した文化審議会の答申を受けて設置されたもので、企画、貸与促進、保存、デジタル資源の4事業を通して国内の有形文化財の活用を目指す。
朝日新聞社の創業者である村山龍平が収集した日本・東洋古美術品を所蔵する公益財団法人香雪美術館は開館45周年を記念し、神戸市東灘区御影の本館に次ぐ中之島香雪美術館(大阪市北区中之島)を21日にオープンした。大阪のビジネス街にある中之島フェスティバルタワー・ウエストの4階に位置し、重要文化財の旧村山家住宅に建つ茶室玄庵を再現した中之島玄庵や、創業者の生涯を紹介する村山龍平記念室が設けられている。開館記念展として「珠玉の村山コレクション~愛し、守り、伝えた~」が、3月21日から2019年2月11日にかけて5期にわたりテーマ別に開催された。
3日より東京国立博物館で「特別展 縄文 1万年の美の鼓動」が開催された(9月2日まで)。日本のもの作りの源流として、縄文時代の土器や石器、土偶等のダイナミックな造形美に焦点をあてた展覧会で、火焔型土器や土偶「縄文のビーナス」といった国宝指定の出土品全6件を展示、また同時期の世界各地の土器も併せて展示し縄文土器の独創性をうかがうコーナーも設けた。
日本芸術院(院長:黒井千次)は22 日、2017年度の芸術院賞受賞者を発表した。第一部(美術)で田渕俊夫(日本画、再興第100回院展出品作「渦潮」に対して)、第二部(文芸)で芳賀徹(評論・翻訳、『文明としての徳川日本 一六〇三―一八五三年』に対して)が恩賜賞・日本芸術院賞を、第一部(美術)で湯山俊久(洋画、改組新第3回日展出品作「l’Aube(夜明け)」に対して)、三田村有純(工芸、改組新第3回日展出品作「月の光 その先に」)、土橋靖子(書、改組新第4回日展出品作「かつしかの里」に対して)が日本芸術院賞を受賞した。
西洋美術の理解や研究発表などに貢献した展覧会に携わった個人・団体を顕彰する西洋美術振興財団賞の第13回目の受賞者が決定した。個人に贈られる学術賞は平野到・埼玉県立近代美術館学芸主幹(「ディエゴ・リベラの時代 メキシコの夢とともに」展に対して)、安井裕雄・三菱一号館美術館学芸グループ副グループ長(「ルドン・秘密の花園」展に対して)が、団体に贈られる文化振興賞は「クラーナハ展 500年後の誘惑」(国立西洋美術館)他への調査研究助成、出版援助、国際交流援助による研究振興に功績のあった公益財団法人鹿島美術財団が受賞した。
平成30年度国家予算が28日、成立した。文化庁予算は1077億2900万円となり前年度より3.3%、34億5700万円の増額となった。Ⅰ.文化芸術の創造・発展と人材育成、Ⅱ.かけがえのない文化財の保存、活用及び継承等、Ⅲ.文化資源を生かした社会的・経済的価値の創出、Ⅳ.日本ブランド向上に向けた多彩な文化芸術の発信、Ⅴ.文化発信を支える基盤の整備・充実の5つを柱とし、美術に関する主な新規項目として、Ⅲの「アート市場活性化事業」に5000万円が計上された。
世界の優れた芸術家を顕彰する高松宮殿下記念世界文化賞(主催:公益財団法人日本美術協会)の第30回受賞者が11日発表された。美術関係では、絵画部門で、国際的な前衛美術集団コブラ(CoBrA、1948~51年)で活躍、書道の影響を受けた自由な筆さばきと、アクリル絵の具の乾きやすい特性を生かし、自身の内面を大胆に表現するベルギーの現代美術家ピエール・アレシンスキー、彫刻部門で、水を用いた人工霧による「霧の彫刻」を1970年の大阪万国博覧会で初めて発表し、以来、世界各地で霧を使ったインスタレーションやパフォーマンス、環境彫刻等80作品以上を手がけ、“霧のアーティスト”として世界的に知られる中谷芙二子、建築部門で、フランスの“音楽都市”で一躍有名になり、福岡市のネクサス集合住宅等が高く評価されるフランスの建築家・都市計画家のクリスチャン・ド・ポルザンパルクが受賞した。
東京・京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターは1日、独立行政法人国立美術館の映画専門機関である国立映画アーカイブ(館長:岡島尚志)となった。これは他の国立美術館と同格の機関とした改組で、日本の映画文化振興のためのナショナルセンターとして一層の機能強化を進めることとなった。
文化審議会は20日、人間国宝の父康孝に師事し、伝統技法を習得、染色に適した生地や型紙の和紙、のり等に徹底してこだわり“連子柄”に代表される精緻な文様を実現した江戸小紋の小宮康正、沈金の前大峰と蒔絵の松田権六から指導を受け、創意工夫を加えて技を磨き、沈金象嵌の技法等を効果的に織り交ぜて表現の可能性を広げた沈金の山岸一男を含む3名を、新たに重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定するよう林芳正文部科学相に答申した。
文化庁は17日、未来投資会議構造改革徹底推進会合「地域経済・インフラ」(中小企業・観光・スポーツ・文化等)第4回会合に「アート市場の活性化に向けて」と題する資料を提出した。その中で言及された「リーディング・ミュージアム」の構想をめぐり、美術館は市場への関与を目的とした活動を行なうべきではないとして6月19日に全国美術館会議が声明を出すなど、美術界で大きな波紋を呼んだ。
文化審議会は20日、ヨーロッパ中世の町家風に和風の表現を加味した万平ホテルアルプス館(長野県北佐久郡軽井沢町)や、1955年の建設時には東洋一の支間長を誇った大規模鋼橋の西海橋(長崎県佐世保市、西海市)等、209件の建造物を新たに登録有形文化財にするよう林芳正文部科学相に答申した。
日本画家東山魁夷の業績を称え、次代を担う日本画家を表彰するために創設された東山魁夷記念日経日本画大賞の第7回大賞受賞作に浅見貴子の「桜木影向図」が選出、23日に発表された。同受賞作を含む入選作による展覧会は、5月18日から28日まで上野の森美術館で開催された。