朝倉彫塑館開館
1967年12月東京都台東区谷中の故朝倉文夫のアトリエをそのまま保存し、財団法人組織で朝倉文夫遺作陳列館がつくられ、12月2日から開館した。公開は毎週、土・日・月の3日間、理事長高橋誠一郎、常任理事坂崎坦。
東京都台東区谷中の故朝倉文夫のアトリエをそのまま保存し、財団法人組織で朝倉文夫遺作陳列館がつくられ、12月2日から開館した。公開は毎週、土・日・月の3日間、理事長高橋誠一郎、常任理事坂崎坦。
日ソ文化交流の一つとして先に日本から「近代日本画名作展」を企画、作品を送ったのに対するもので、ソ連は、1917年の革命後から現代に至るまでの50年間のソ連近代美術の歩みを展望する作品が送られ、展示することになったもの。50年の歩みを概観出来る展観としては初めてで、きわめて有意義な催しとなった。
国立西洋美術館、京都国立近代美術館では、フランス文化省、同国立美術館総局、パリ国立近代美術館の協力を得て、我国では初めての総合的なデュフィ回顧展を開いた。出品は、フランス各地の美術館31カ所の他、個人コレクター等からで、油彩80点の他水彩、グワッシュ、版画、タピスリイなど総計200点に及んだ。東京は11月3日から開催したが京都は昭和43年1月4日から開かれた。
画業40年記念展として毎日新聞社主催の許に渋谷東急百貨店本店で11月17日から29日まで開催、初期の「信号台」から最近作まで97点を展観した。昭和38年の白木屋展につぐ第2回目の回顧展である。
本年度の文化勲章受章者は27日正式決定発表された。美術関係では、林武(洋画)、村野藤吾(建築)が選ばれた。また豊道春海は、書では初めての文化功労者となった。文化勲章の伝達式は11月3日、功労者の顕彰式は同6日に行なわれた。
東京国立博物館及びイタリア文部省の主催で10月28日から12月17日まで、上野東京国立博物館で開催。出品作は先史時代からローマ時代、紀元後3―4世紀に亘り、ローマ、フィレンツェを初め、イタリア全域を含む16の博物館から送られてきている。時代的にも、地域的にも広く、かつ体系的な展観となった。
中村彝の遺作展としては74点も集められたのはめずらしく、久しぶりで展観された作品も少くなかった。新宿駅ビル6階画廊で14日から開かれ、多くの入場者があった。
宇治平等院鳳凰堂の扉絵のうち「中品上生図」2面の模写が完成し、鳳凰堂北側の位置に取りつけた。同寺では全ての扉絵を模写に置きかえ、鳳凰も模造品につけかえて、本物は収蔵庫におさめる方針。
南仏カンヌで開催の同市主催第2回国際絵画、彫刻ビエンナーレ展の絵画部門で野崎利喜男がカンヌ大賞を受賞した。14日発表。
日本からは、本年は日本代表コミッショナー益田義信の参加出品計画の許に大規模の日本現代版画140点の外、特徴的な日本画を出品、そのうち吹田文明の版画が最優秀賞をうけた。尚9カ国、9人の国際審査員の中、日本からは久保貞次郎氏が招待参加した。
(9月三岸展、10月黒田清輝展) 去る7月12日、故三岸好太郎の遺作油絵61点、デッサン水彩等159点が節子未亡人より好太郎出身地の札幌市に設立準備中の道立美術館に寄贈する事となり、去る7月12日神奈川県立美術館で北海道知事に目録が贈呈されたが、9月3日道立美術館が完成。三岸の遺作220点を陳列開館した。三岸の作品を陳列する美術館の設立を条件に遺作の寄贈を申し出たことから、急拠美術館の設立が企てられ旧図書館を改装設立となったもの。寄贈作品は節子夫人、黄太、土方定一ら15人の運営委員会によって管理される。
本年から芸術各分野の新人(若手作家)を海外に派遣し、研修させようと文部省が始めた研修制度に4名が選ばれた。 美術―奥谷博(洋画) 音楽―若杉弘(指揮) 舞踊―横井茂(振付演出) 演劇―増見利清(演出)
ミシガン大学は創立150周年を記念して東洋学者会議を開催し、その際「石濤展」を中心とする東洋美術の展観を行った。日本からは住友家の、盧山観瀑図及び黄山八勝図冊(共に重文)の2点のほか数点が出品され、米沢嘉圃、鈴木敬両氏が記念講演を行なった。
カポグロッシ、フォンタナ、カステラーニ、彫刻家ではポモドロ兄弟、ソマイーニなど、主としてローマ、ミラノを中心とする現代イタリア第一線の画家、彫刻家49名の作品93点を集めた展観で、ローマ国立近代美術館との共催で、9月2日から東京国立近代美術館で開かれた。
毎日新聞社主催で東京を初め名古屋、大阪、静岡、福岡の各地で開かれた。東京は上野松坂屋を会場に8日から20日まで開催され、油絵57点、彫刻6点、リトグラフ12点が出品され、英・仏の画廊、蒐集家から作品が集められた。
過去1年間、最も活動し、注目を集めた作家を選んで、その作品を展示する、京都国立近代美術館の企画展で、広く新人作家を選出し、現代美術の新しい認識を意図する展覧会である。
将来を期待されながら昭和19年、43歳で逝去した官展系作家野口謙蔵の遺作展が18年ぶりで開かれ、全作品304点を収録したカタログも出版された。初期のフォーヴ風の作品から、郷土、滋賀県琵琶湖畔の風土と生活に至純の慕情をささげた南画風の後期作品まで、約60点が銀座、彩壷堂で展示された。
秋田県鷹巣町胡桃館で平安中期の豪族の居館跡と推測される三棟の建物と棚が発掘された。なおこの付近には建築部材の出土するところがあり、更に何棟かの埋没家屋の存在が予想されている。
山種美術館開館1周年記念特別展として大観展が開かれた。前期展(7月21日―27日)と後期展(8月1日―27日)と2回に分け総出品数約80点、大観の画業を回顧するにふさわしい数年ぶりの大回顧展であった。
富山県上市町の日石寺不動堂が7月23日全焼した。不動堂は解体修理中であったが、この火災で損焼をまぬかれた旧部材は僅少であった。