松田尚之

没年月日:1995/03/29
分野:, (彫)
読み:まつだなおゆき

 日本芸術院会員で、日展参与の彫刻家松田尚之は、3月29日午後2時14分、急性腹症のため京都市左京区修学院大林町の白宅で死去した。享年96。石川県金沢市に生まれ、大正11(1922)年、朝倉文夫に師事して東京美術判交彫刻科を卒業、また在学中の同10年、第3回帝展に「ポーズせる女」が初入選。以後毎回帝展に出品をつづけ、同15年の第7回展に出品の「姿」は特選となった。翌年の第8回展でも、「若きひのかげ」が無鑑査、特選となった。帝展、新文展、そして戦後の日展にいたるまでたびたび審査委員をつとめ、日展では、審査員と同時に運営会参事をつとめた。また、昭和5(1930)年に京都大学建築科講師となり、戦後も金沢美術工芸大学、京都学芸大学教授として、後進の指導にあたった。同32年の第13回日展に出品の「女性」によって日本芸術院賞受賞、同43年には日本芸術院会員となった。ディテールの再現にこだわらない、おおらかな表現による量感のある裸婦像を得意とした。

出 典:『日本美術年鑑』平成8年版(316頁)
登録日:2014年04月14日
更新日:2023年09月25日 (更新履歴)

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「松田尚之」『日本美術年鑑』平成8年版(316頁)
例)「松田尚之 日本美術年鑑所載物故者記事」(東京文化財研究所)https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/10552.html(閲覧日 2024-12-05)

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