第28回倫雅美術奨励賞受賞者決定

2016年11月

優れた美術評論や美術史の研究を顕彰する倫雅美術奨励賞(主催:公益信託倫雅美術奨励基金)の第28回目の受賞者が発表され、美術史研究部門は「小川千甕展―縦横無尽に生きる」の企画およびカタログ中の論文を担当した増渕鏡子(福島県立美術館主任学芸員)、植田彩芳子(京都府京都文化博物館学芸員)が共同受賞、美術評論部門は『日本画と材料 近代に創られた伝統』を著した荒井経(東京藝術大学大学院准教授)が選ばれた。

名勝・史跡指定の答申

2016年11月

文化審議会は18日、日本画家横山大観の旧宅及び庭園(東京都台東区)を史跡・名勝に、邪馬台国の女王卑弥呼の墓説のある箸墓古墳の周濠(奈良県桜井市)等10件を史跡に、旧龍性院庭園(愛知県豊田市)を名勝に指定、大正初期に造成された松田屋ホテル庭園(山口市)等2件を登録記念物に登録、四国山間部に位置する奥内の棚田および農山村景観(愛媛県松野町)を重要文化的景観に選定するよう松野博一文部科学相に答申した。また登録有形文化財として、1881年に日本人技師が手掛けた洋式灯台の立石岬灯台(福井県敦賀市)や1932年建築の宮崎県庁舎本館ほか(宮崎市)等177件の建造物を登録することも求めた。

久留米市美術館開館

2016年11月

福岡県久留米市に19日、久留米市美術館(館長:楢原利則)が8月28日に閉館した石橋美術館の建物と活動を引き継ぐ形で開館した。石橋正二郎のコレクションを基とした石橋美術館を運営管理する石橋財団が、同じく同財団が運営するブリヂストン美術館の収蔵品とあわせ東京で一元管理することとなったことを受け、あらためて公益財団法人久留米文化振興会による運営となったもの。開館記念展として「2016ふたたび久留米からはじまる。九州洋画」展(11月19日~2017年1月22日)が開催された。

すみだ北斎美術館開館

2016年11月

東京都墨田区に22日、すみだ北斎美術館(館長:菊田寛)が開館した。浮世絵師の葛飾北斎が現在の墨田区内でその生涯のほとんどを過ごしたことから、墨田区が地域振興の一環として美術館を建設。収集家のピーター・モースや浮世絵研究者の楢崎宗重のコレクションを収蔵する。建築は妹島和世による設計で、地上四階、地下一階建て、延べ床面積3,278.9㎡。

日本イコモス賞2016受賞者決定

2016年12月

建造物、伝統的建造物群、文化的景観、遺跡である記念物と歴史風土の保存、保全、活用の振興を図る日本イコモス賞2016の受賞者が10日に発表され、シリア・パルミラで長年、発掘調査を行ない、内戦によって危機に直面する文化遺産の保存修復を進めた西藤清秀(奈良県立橿原考古学研究所技術アドバイザー)、京都府舞鶴市内のレンガ倉庫群を生かした街づくりを展開している特定非営利活動法人赤煉瓦倶楽部舞鶴および舞鶴市が選ばれた。

VOCA賞受賞者決定

2016年12月

平面美術の若手作家を奨励するVOCA賞の受賞者は「二つの眼を主語にして」を制作した幸田千依に決定したことが13日発表された。VOCA奨励賞は上田良「4つのオブジェと1つの視点」と鈴木基真「Ghost♯4」、佳作賞・大原美術館賞は青木恵美子「見知らぬ果ての」「PRESENCE No40」、佳作賞は村上華子「ANTICAMERA(OF THE EYE)♯E1 ANTICAMERA(OF THE EYE) ♯P4」がそれぞれ選ばれた。受賞作等を展示するVOCA展2017は2017年3月11日から3月30日まで東京都の上野の森美術館で開催された。

薬師寺東塔の建立年代判明

2016年12月

解体修理中の奈良市の薬師寺東塔(国宝)で、心柱と部材5点が8世紀前半(奈良時代前半)に伐採されたヒノキ材を用いていたことが年輪年代測定で判明し、同寺と奈良文化財研究所等が19日発表した。東塔をめぐっては、飛鳥時代の藤原京からの移築説と平城京遷都後の新築説があり、明治時代より論争が展開されてきたが、新築説が確定的となった。

第28回国華賞受賞者決定

2016年10月

日本・東洋美術に関する優れた研究を対象とする第28回国華賞は、国華展覧会図録賞が植松瑞希による『蘇州の見る夢 明・清時代の都市と絵画』展図録(大和文華館、2015年)、原田一敏他による『極 大茶の湯釜展 茶席の主』展図録(MIHO MUSEUM、2016年)に贈られることが決定した。

国宝・重要文化財(建造物)指定の答申

2016年10月

文化審議会は21日、明治時代に建設された現存する最古の刑務所である旧奈良監獄や、洋式農場の先駆けとなった小岩井農場(岩手県雫石町)の施設等、9件65棟の建造物を重要文化財に指定するよう、松野博一文部科学相に答申した。また歴史的景観が残る戸隠神社(長野市)の門前町とカツオ漁で栄えた徳島県牟岐町の漁村集落を重要伝統的建造物群保存地区に選定するよう答申した。

文化勲章受章者、文化功労者決定

2016年10月

政府は28日、2016年度の文化勲章受章者6名と文化功労者15名を決定した。美術関係では、画家・彫刻家の草間彌生が文化勲章受章者に、書家の尾崎邑鵬と小山やす子、美術評論・文化振興の辻惟雄が文化功労者に選ばれた。

熊本地震による文化財被害

2016年04月

14日以降に熊本地方を震源として相次いで発生した熊本地震により、多くの文化財が被災した。国の指定文化財の被害は134件、自治体指定のものを含めると300件を超えた。熊本城(熊本市中央区)では築城当初から残っていた国の重要文化財の東十八間櫓・北十八櫓が石垣とともに倒壊・崩落。熊本洋学校教師館ジェーンズ邸(熊本市中央区、熊本県指定重要文化財)は建物が全壊。阿蘇神社(熊本県阿蘇市)では国の重要文化財の楼門と拝殿が全壊した。

第38回サントリー学芸賞受賞者決定

2016年11月

第38回サントリー学芸賞(主催:サントリー文化財団)が10日に発表、美術関係では芸術・文学部門で池上裕子(神戸大学准教授)の『越境と覇権』、金沢百枝(東海大学教授)の『ロマネスク美術革命』が受賞した。

「生誕300年記念 若冲展」の開催

2016年04月

22日より東京都美術館で「生誕300年記念 若冲展」が開催された(5月24日まで)。宮内庁所蔵の「動植綵絵」を含む、伊藤若冲の初期から晩年までの代表作を一堂に集めた展示で、2000年に京都国立博物館で開催された「没後200年 若冲」展以降高まりを見せていた若冲ブームの中、31日間の会期で約44万6千人の入場者数を記録した。

読売あをによし賞受賞者決定

2016年05月

保存科学・修復の現場で優れた業績をあげた個人・団体を顕彰する読売あをによし賞(主催:読売新聞社、特別協力:文化財保存修復学会)の第10回目の受賞者として、本賞に掛軸や屏風の表具に用いる古代裂の製作に取り組み、多くの国宝や重要文化財の修理に貢献した廣瀬賢治(京都府)、奨励賞に紅染の媒染剤等に使う、梅の実を黒くいぶした烏梅を製造する中西喜久(奈良県)、特別賞に寺社専門の建築会社として文化財建造物の保存・修復、復元工事に携わってきた株式会社金剛組(大阪府)が決定した。

国宝・重要文化財(建造物)指定の答申

2016年05月

文化審議会は20日、三越日本橋本店(東京都中央区)や大津市にある天台宗総本山延暦寺の浄土院伝教大師御廟等、12件50棟の建造物を重要文化財に指定するよう馳浩文部科学相に答申した。また名古屋市緑区有松、彦根市河原町芹町地区(滋賀県)の2地区を重要伝統的建造物群保存地区に選定するよう答申した。

名勝・史跡指定の答申

2016年06月

文化審議会は17日、原爆被害の悲惨さを伝える長崎原爆遺跡(長崎市)等12件を史跡に、明治から大正にかけ皇室用に整備された旧沼津御用邸苑地(静岡県沼津市)等2件を名勝に指定、天台宗の霊山とされる摩尼山(鳥取市)等3件を登録記念物にするよう馳浩文部科学相に答申した。

第11回西洋美術振興財団賞受賞者決定

2016年07月

西洋美術の理解や研究発表などに貢献した展覧会に携わった個人・団体を顕彰する西洋美術振興財団賞の第11回目の受賞者が決定した。個人に贈られる学術賞は植松由佳・国立国際美術館主任研究員(「ヴォルフガング・ティルマンス Your Body is Yours」展)、野中明・長崎県美術館学芸員(「スペインの彫刻家 フリオ・ゴンサレス展」に対して)が、団体に贈られる文化振興賞はドイツで開催された「JAPANS LIEBE IMPRESSIONISMUS Von Monet bis Renoir(日本人が愛した印象派、モネからルノワールへ)」展等に所蔵美術品を貸し出し、日本の西洋美術研究、文化交流の促進に寄与した吉野石膏株式会社が受賞した。

人間国宝認定の答申

2016年07月

文化審議会は15日、植物染料による透明感のある色彩や独自の手法による大胆な色面構成を特徴とする紬織の村上良子を含む5名を、新たに重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定するよう馳浩文部科学相に答申した。

登録有形文化財登録の答申

2016年07月

文化審議会は15日、岸田日出刀の設計によるオフィスビルのリバーサイドビルディング(大阪市北区)や、金沢市中心部を流れる浅野川にかかる橋脚がないアーチ橋である天神橋等、204件の建造物を新たに登録有形文化財にするよう馳浩文部科学相に答申した。

国立西洋美術館、世界遺産に決定

2016年07月

世界遺産一覧表への登録の可否を事前に審査する国連教育科学文化機関(ユネスコUNESCO)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモスICOMOS)は5月17日、国立西洋美術館(東京都台東区)を含む7カ国17資産で構成される「ル・コルビュジエの建築作品」について、世界遺産一覧表への登録を勧告した。これを受けて7月17日、トルコのイスタンブールで開催されたユネスコの世界遺産委員会で、文化遺産として世界遺産一覧表に登録することが決定した。

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