ブラッセル万国博で日本館受賞

1958年09月

ブラッセル万国博では、各国が膨大な予算を投じて、出品のための独立建物の建設を競つたが、同パビヨン審査を行つた結果、日本館が116のパビヨンのうちで第9位となり、金賞を獲得した。同館は前川国男設計になり、総予算3億円(内建築費7千2百万円)で参加した。なお、ソ連では116億、米国では80億等の予算が投じられている。 

岡田謙三渡米

1958年09月

今年1月6年ぶりに帰国した岡田謙三は、5日夫人同伴の上、日本で製作した40点の作品をたづさえて横浜を出発した。 

オーストラリヤニュージーランド巡回日本現代美術展

1958年09月

今春送られたヨーロッパ巡回日本現代絵画展につづくもので、外務省、国立近代美術館毎日新聞社共催によつて行われ、4日から10日迄国立近代美術館において国内展示会が行われた。出品は日本画、洋画、版画、工芸の各部門にわたる綜合展で、37名134点が送られた。なお、11月初旬から翌34年7月下旬まで、オーストラリアのシドニー、メルボルン等5都市、ニュージーランドの4都市を巡回する。 

西大寺文殊菩薩像胎内物調査

1958年08月

西大寺本堂文殊菩薩坐像胎内納入物の調査が22日行われ、白檀の高さ21cmの文殊菩薩立像、大般若経279巻、奈良時代の写経3巻、鎌倉時代の水晶五輪塔1基などが発見された。 

神戸で銅鐸出土

1958年08月

神戸で宅地工事のブルトーザー作業現場から袈裟襷文の銅鐸を発見した。高さ33cm、底の長径20cm、最も古い形式のものであるという。 

家型埴輪出土

1958年08月

本月下旬鳥取県淀江町の上山古墳から殆んど原型を保つ家型埴輪が出土し、同地方の古墳文化研究に貴重な資料を齎した。縦29cm、横25cm、高39cm錣葺の屋根をもつ立派な埴輪である。 

国際美術教育会議

1958年08月

スイス、バーゼルに於ける第10回国際美術教育会議は、日独伊仏等はじめ欧州各国参加して児童作品展示と併せ7日から12日迄行われた。日本からは松田義之手塚又四郎、霜田静志、倉田三郎等が出席、各国と共にそれぞれ「日本版画教育」「日本美術教育の今日の問題」「美術教育の国際主義と民族主義」「美術教育の立場からみた日本美術」等の意見を発表した。 

「日展美術」刊行

1958年08月

日展美術刊行会(都美術館内)から新しく美術雑誌「日展美術」が年5回で刊行される。 

出版美術賞

1958年08月

出版美術家連盟では新宿伊勢丹における出版美術祭出品作の中、新聞雑誌の挿絵、漫画、単行本の装丁など2百点のうちより次の入賞を決定した。 出版美術賞 中一弥、 会長賞 岡本爽太、理事長賞 手塚治虫他 

シエル美術賞(2回)

1958年07月

日本美術批評家連盟と神奈川県立近代美術館運営委員会は、シエル石油会社の委嘱によつて、第2回シエル美術賞を次の通り選定し、26日から8月10日まで神奈川県立近代美術館でシエル美術賞展が開かれた。 1等 田畔司郎 2等 宮城音蔵 3等 今野史輔 佐藤一  鈴木博 江見絹子 

韓国への返還文化財について追求(衆議院予算委員会)

1958年07月

政府は16日在日韓国代表部を通じ、同国政府に106点の文化財を引渡したが、これについて社会党今澄勇代議員は、24日の衆議院予算委員会での引渡しについての法的根拠と基本態度とを追求し、また106点のリストを要求した。外務省では、4日そのリストを資料として提出したが、それによると、これらは大正7年朝鮮の古墳から出土したもので、朝鮮総督府博物館に保管されていたものを昭和13年帝室博物館に寄贈され、その後東京国立博物館に移管されたものである。内容は金製耳飾2箇、鉄製刀子残欠5箇、鉄器残欠一括、銀製鐶2箇ほか計106点となつている。なお韓国側ではこのほかの文化財についても引続き要求しているが、日本側では日韓会談の進展とにらみ合せて解決したい意向をもつている。 

大報恩寺観音像の修理成る

1958年06月

六道観音が一堂に揃つている京都大報恩寺では観音菩薩像六体の修理が完成して7ケ月ぶりに公開された。修理中に六体の胎内から8巻の経文と造立の経緯を物語る奥書が発見され、作者は「定慶」貞応3年4月藤原以久の娘が施主となつて造立されたことを明らかにした。 

秋田市美術館開館

1958年06月

秋田市上中城町に、鉄筋コンクリート平屋建、約90坪の美術館が誕生した。郷土の文化的伝統の認識と、市民の美の教室として運営される。 

グツゲンハイム賞(2回)参加作品決定

1958年06月

第2回グツゲンハイム賞への参加は、同賞国内連絡委員会により参加作品選考中のところ6日次の通り国内賞(1千ドル)及び国際賞応募のため出品する4点の作品名が発表された。 国内賞 山口薫 林と動物(第3回現代日本美術展出品) その他の参加作品 川端実 リズム(同展出品) 山口長男 作品・黄(同展出品) 佐野繁次郎 生物(1957年第11回第二紀会展出品) 加山又造 飛翔(1957年個展出品) 

ペルシヤ美術展余聞

1958年05月

ペルシヤ美術展開催に際して来日したイラン考古局総裁セイド・モハマダ・タリモスタファビ氏は正倉院の蔵品中8点をペルシヤ美術の優品として確認した。白瑠璃瓶をはじめ、碧地狩猟文錦など織物4点、金銅八曲長坏など金工品3点であるが、出土品でなく伝存したペルシヤ美術品の例は非常に稀であるという。 

新聞配達少年像除幕式

1958年05月

新聞配達の少年保護育成の会が、少年達に誇りをもたせるため、朝倉響子に依頼した新聞配達の少年像が完成し、31日港区麻布の有栖川記念公園で除幕式が行われた。 

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