- 本データベースは東京文化財研究所刊行の『日本美術年鑑』に掲載された彙報・年史記事を網羅したものです。
- 現在、2018年/平成30年まで公開しています。(記事件数
5,411 件)
2015年12月 優れた美術評論や美術史の研究を顕彰する倫雅美術奨励賞(主催:公益信託倫雅美術奨励基金)の第27回目の受賞者が発表され、美術史研究部門は「赤瀬川原平の芸術原論展―1960年代から現在まで」の企画およびカタログ中の論文を担当した水沼啓和(千葉市美術館主任学芸員)、岩尾徳信(大分市美術館専門員)、松岡剛(広島市現代美術館学芸員)が共同受賞、美術評論部門は「スサノヲの到来―いのち、いかり、いのり」展の企画等を手がけた江尻潔(足利市立美術館学芸員)が選ばれた。 (English)
2015年12月 平面美術の若手作家を奨励するVOCA賞の受賞者は「crossfades♯3」を制作した久門剛史に23日決定した。VOCA奨励賞は鈴木のぞみ「OtherDays,OtherEyes」と谷原菜摘子「穢土」、佳作賞は大山エンリコイサム「FFIGURATI♯117」と佐竹真紀「肖像記」、大原美術館賞は尾﨑森平「ceremony」がそれぞれ選ばれた。受賞作等を展示するVOCA展2016は2016年3月12日から3月30日まで東京都の上野の森美術館で開催された。 (English)
2015年09月 世界の優れた芸術家を顕彰する高松宮殿下記念世界文化賞(主催:公益財団法人日本美術協会)の第27回受賞者が10日発表された。美術関係では、絵画部門で横尾忠則(日本)、彫刻部門でヴォルフガング・ライプ(ドイツ)、建築部門でドミニク・ペロー(フランス)が受賞した。 (English)
2015年09月 19日より永青文庫(東京都文京区)で「春画展」が開催された(12月23日まで)。日本の春画の国際的な評価・研究が進む中、2013年から翌年にかけて大英博物館で開催された春画展を受け、同博物館の全面的な協力のもとに開催の運びとなった。日本の美術館での春画の本格的な展覧会は初めてで高い関心を呼び、多数の観覧者を記録した。同展は細見美術館(京都市)に巡回した(2016年2月6日~4月10日)。 (English)
2015年10月 日本・東洋美術に関する優れた研究を対象とする第27回国華賞は、竹浪遠(京都市立芸術大学)の著書『唐宋山水画研究』(中央公論美術出版、2015年)に、国華特別賞は田辺三郎助(武蔵野美術大学名誉教授)の論文「能面芸術の形成」(『国華』1431・1436号、2015年)に、国華展覧会図録賞は末吉武史による「九州仏―一三〇〇年の祈りとかたち」展図録(福岡市博物館、2014年)に贈られることが決定した。 (English)
2015年10月 2015年は琳派の祖の一人、本阿弥光悦が1615(元和元)年に京都の鷹峯で、後年「光悦村」と呼ばれる芸術村を開いて400年、また尾形光琳の300年忌にも当たることから、京都をはじめとする各所で記念の展覧会が開催された。京都では「琳派四百年記念祭」として各種の文化事業が執り行なわれ、京都国立博物館では「琳派京を彩る」展(10月10日~11月23日)、京都国立近代美術館で「琳派イメージ展」(10月9日~11月23日)等が開かれた。またMOA美術館で「光琳アート光琳と現代美術」展(2月4日~3月3日)、根津美術館で「燕子花と紅白梅光琳デザインの秘密」展(4月18日~5月17日)が開催、両展では光琳の「燕子花図屏風」(根津美術館蔵)と「紅白梅図屏風」(MOA美術館蔵)が揃って展示された。海外では、米国ワシントンDCのフリーア/サックラー美術館で「Sotatsu:MakingWaves(宗達:創造の波)」展(10月24日~2016年1月31日)が開催された。 (English)
2015年10月 文化審議会(会長:宮田亮平)は16日、現存する八幡造の本殿のうち、最古で最大規模を誇る石清水八幡宮本社(京都府八幡市)を国宝に、放射状の木造の舎房を完全な形で残す旧網走監獄(北海道網走市)や、吉野川下流域の藍産業を支えた戸田家住宅(徳島県上板町)など8件の建造物を重要文化財に指定するよう、馳浩文部科学相に答申した。 (English)
2015年10月 政府は30日、2015年度の文化勲章受章者7名と文化功労者16名を決定した。美術関係では、染織家の志村ふくみが文化勲章受章者に、漆芸家の三谷吾一が文化功労者に選ばれた。 (English)
2015年11月 文化審議会は20日、首相を務めた近衛文麿が住み、日米開戦前の重要な会議の舞台となった荻外荘(東京都杉並区)等9件を史跡に、水戸藩主徳川光圀が晩年を過ごした西山御殿跡(西山荘、茨城県常陸太田市)等2件を名勝に指定、富士山を望む景勝地で信仰の地としても親しまれた十国峠(日金山、静岡県熱海市・函南町)等3件を登録記念物に登録するよう馳浩文部科学相に答申した。 (English)
2015年11月 文化審議会は20日、川奈ホテル本館(静岡県伊東市)等、124件の建造物を新たに登録有形文化財にするよう馳浩文部科学相に答申した。 (English)
2015年11月 日本芸術院(院長:黒井千次)は25日、芸術活動に顕著な功績があったとして新たに6名を同院新会員に選出したと発表、美術関係では洋画の佐藤哲、建築の槇文彦、評論・翻訳の高階秀爾が選ばれた。12月15日付で馳浩文部科学相により発令された。 (English)
2015年11月 文化庁は27日、国内外の優れた映像作品などを表彰する第19回文化庁メディア芸術祭の受賞作品を発表した。アート部門は英国のチュン・ワイチン・ブライアンのグラフィックアート「50.ShadesofGrey」、エンターテインメント部門は岸野雄一の音楽劇「正しい数の数え方」、アニメーション部門はフランスのボリス・ラベの短編アニメーション「Rhizome」、マンガ部門は東村アキコの「かくかくしかじか」がそれぞれ大賞を受賞した。 (English)
2015年12月 建造物、伝統的建造物群、文化的景観、遺跡である記念物と歴史風土の保存、保全、活用の振興を図る日本イコモス賞2015、および若手研究者の育成と研究の奨励を目的とした日本イコモス奨励賞2015の受賞者が12日に発表された。日本イコモス賞2015には、金沢市の歴史的環境保全施策を推進して顕著な成果を挙げ、歴史文化都市金沢の評価を不動にした山出保(金沢市元市長)、日本イコモス奨励賞2015には著書『群像としての丹下研究室』および編著『丹下健三とKENZOTANGE』で現代建築・都市計画史研究を進めた豊川斎赫(小山工業高等専門学校准教授)、フランスの文化遺産保護に関する一連の研究を行なった鳥海基樹(首都大学東京准教授)が選ばれた。 (English)
2015年12月 文化庁と朝日新聞社の協力のもと、学識者による法隆寺金堂壁画保存活用委員会(委員長:有賀祥隆)が設置され、5日に初会合が開かれた。1949年に火災で焼損した法隆寺(奈良県斑鳩町)の金堂壁画について、最新の科学調査で恒久的な保存方法や、一般公開を含めた活用の可能性を検討する。金堂の火災から70年となる2019年にも調査の中間報告をまとめる予定。 (English)
2015年07月 愛媛県新居浜市に18日、新居浜市美術館(館長:山野英嗣)が開館した。2016年に閉館した新居浜市立郷土美術館の機能や展示を継承発展させたもので、あかがねミュージアム(新居浜市総合文化施設・新居浜市美術館)の2階に開館。開館記念展として「新居浜―日本回想の新居浜美術1890-2015」(11月3日~12月20日)が開催された。 (English)
2015年04月 平成27年度国家予算案が9日、成立した。文化庁予算は1037億9200万円となり前年度より0.2%、2億円の増額となった。Ⅰ.豊かな文化芸術の創造と人材育成、Ⅱ.かけがえのない文化財の保存、活用及び継承等、Ⅲ.我が国の多彩な文化芸術の発信と国際文化交流の推進、Ⅳ.文化発信を支える基盤の整備・充実の4つを柱とし、主な増額項目として、Ⅰで「2020年の文化プログラムに向けて」に9億3300万円、Ⅱで「文化財総合活用戦略プランの創設」に5億6700万円、Ⅲで「日本文化の発信・交流の推進」に6億3700万円、Ⅳで「国立文化施設の機能強化(美術館、博物館、劇場)」に5億6000万円が計上された。 (English)
2015年08月 流出文化財保護日本委員会(委員長:宮田亮平)は5日、アフガニスタンからの流出文化財の返還を発表した。同委員会は2001年のタリバーンによるバーミヤン石仏の破壊を受け、ユネスコ親善大使を務めた平山郁夫が中心となって設立。内戦等による政情不安下で、不法に海外に持ち出された文化財の保護・保管を行なってきた。対象となる流出文化財102点は、2016年に九州国立博物館、東京国立博物館で開催される特別展「黄金のアフガニスタン守りぬかれたシルクロードの秘宝」に一部が展示された後、返還されることとなった。 (English)
2015年04月 前年に優れた成果を挙げた写真家に贈られる土門拳賞(主催:毎日新聞社)の第34回受賞者が、下瀬信雄に決定した。受賞対象は写真集『結界』で、野山に分け入り、手付かずの自然の形姿を細密に再現したフォトドキュメントである点が高く評価された。 (English)
2015年09月 2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックの公式エンブレムについて1日、大会の組織委員会はその使用の中止を決定した。2015年7月に佐野研二郎による応募作が公式エンブレムとして選出されたが、ベルギーのリエージュ劇場のロゴに似ているとして8月に使用差し止めを求め提訴されたのを機に、そのオリジナリティの有無が物議を醸し、佐野からの要望で使用取り下げとなったもの。その後再公募を経て、2016年4月に野老朝雄の作品が公式エンブレムに採用となった。 (English)
2015年04月 文化庁は24日、全国各地の有形無形の文化財を地域やテーマごとにまとめた18件について「日本遺産」として初認定した。これは、有形無形の文化財群を地域が主体となって総合的に整備・活用し、国内外に戦術的に発信して地域の活性化を図ることを目的としたもの。旧弘道館(茨城県)、足利学校跡(栃木県)、旧閑谷学校(岡山県)、咸宜園跡(大分県)で構成される「近世日本の教育遺産群―学ぶ心・礼節の本源―」等が認定された。 (English)