第1回日本アジア、アフリカ、ラテンアメリカ美術家会議
1978年07月日本アジア、アフリカ、ラテン・アメリカ美術家会議(議長針生一郎)は7月11日~21日の会期で「第三世界とわれわれ―人間と自然の復権」と題する展覧会を東京都美術館で開催した。同会議は日本美術の西洋追随、近代主義偏重を問い直し、アジア、アフリカ、ラテン・アメリカ諸国の美術交流を通じて新らたな美術を模索しようとするもの。
日本アジア、アフリカ、ラテン・アメリカ美術家会議(議長針生一郎)は7月11日~21日の会期で「第三世界とわれわれ―人間と自然の復権」と題する展覧会を東京都美術館で開催した。同会議は日本美術の西洋追随、近代主義偏重を問い直し、アジア、アフリカ、ラテン・アメリカ諸国の美術交流を通じて新らたな美術を模索しようとするもの。
国際建築家連合(U・I・A)が国際的な視野に立って設けている表記の賞に建築家菊竹清訓が受賞した。同賞は建築および建築に関する応用技術に、とくに卓越したプロジェクトを創作した作家に与えられる。授賞式は10月メキシコ市で開かれた第8回UIA世界会議で行われた。なお同賞は、U・I・A初代会長であったフランスの建築家オーギュスト・ペレーを記念して設けられた。
21日住友グループが明らかにしたところでは、元住友本社々長住友吉左衛門コレクションの国宝「秋野牧牛図」、重文「黄山図」等を含む中国関係の書画約100点を財団法人泉屋博古館に寄贈した。
表記賞に洋画家野見山暁治「四百字のデッサン」(河出書房新社刊)が19日決定した。
13日から8月27日まで東京国立博物館で開催された。
新人デザイナーの発掘、育成をめざす「第10回毎日・DAS学生デザイン賞」(毎日新聞社、社団法人総合デザイナー協会主催、通産省後援)の受賞がつぎのように決定した。最優秀「金の卵」賞(三点)―「小型配管工事、車両システムの設計」(工業部門)千葉大・山本一生、小笠原伸一ほか。
技術を重視する伝統工芸に対して、現代の美術工芸をめざして17年前に創設された日展系の現代工芸美術家協会(代表・山崎覚太郎、会員316人)が分裂し、3分の2近くの約200人が退会した。9日出された正式な退会声明書によると、退会したのは楠部弥一、清水六兵衛、山鹿清華、帖佐美行らで、新たに「日本新工芸家連盟」を設立、来春から独自の展覧会活動をすることになった。
現代作家のための国立美術館の建設を要望する要望書が7日奥村土牛、北村西望ら長老9名により砂田文相に手渡された。このような動きの背景には、公募展の会場とされている東京都美術館に大小の各種団体が殺倒し、主要団体に長期貸館が困難になったという事情がある。なお要望書提出より前の昨年12月日展作家により国に請願書が出され、既に美術館建設についての調査研究費の予算1,500万円がついた。
29日から6月11日まで奈良国立博物館で開催され、会期中仏教美術に関する国際シンポジュームが開かれた。
第12回日本国際美術展(日本国際美術振興会、毎日新聞社主催)が25日から5月10日まで東京都美術館で開催された。受賞は事前に銓衡発表されたが、大賞は楠田信吾の立体「Water Level」に決定、その他の各美術館賞もそれぞれ選出された。
第21回安井賞に上条陽子「玄黄―兆」が選ばれた。同賞の女性での受賞ははじめて。なお佳作賞に薮野健「僕の小学校」、今回に限り設けられた選考委員会賞に有元利夫「花降る日」がそれぞれ選ばれた。
今回指定された物件は重要文化財84件で、美術工芸部門では尾形光琳資料・小西家伝来、木造円鑑禅寺坐像など絵画19件、彫刻9件、工芸品19件、書跡・典籍14件、古文書13件、考古資料9件、歴史資料1件である。建造物部では14件17棟、追加指定12棟が重要文化財に指定された。
文化財保護審議会(田中義男会長)は、25日無形文化財(人間国宝)9名を認定し、砂田文部大臣に答申した。美術関係では、染織・江戸小紋の染色技術の小宮康孝、茶釜の製作と和銑釜の研究で知られる茶の湯釜の角谷一圭(本名、角谷辰治郎)、彫金の内藤四郎、?漆の増村益城(本名、増村成雄)が認定された。
13日、昭和53年度(第68回)日本学士院賞9件が決定し、そのひとつに石田尚豊(東京国立博物館学芸部資料室長)「曼茶羅の研究」が密教曼茶羅の成立過程に関する図像学的研究において先人未到の成果をあげたとして選ばれた。授賞式は6月14日行われた。
52年度の恩賜賞、日本芸術院賞が9日発表された。恩賜賞は該当者なし、日本芸術院賞は日本画の浦田正夫(熊本県出身、日展評議員)の「松」、書の上条信山(長野県出身、日展評議員)の「汲古」に与えられた。授賞式は6月5日、東京上野の同院においておこなわれた。
7日、雪舟筆「秋冬山水図」?風、写楽筆「市川男女蔵の奴一平」など由良哲次コレクションの106点が、同氏から郷里の奈良県へ寄贈されたことが明らかにされた。これらの寄贈品は奈良県立美術館に保管される。
ドイツ表現派の巨匠、オスカー・ココシュカ展が神奈川県立近代美術館で4日から4月9日まで開催され、70年間の画業から油彩代表作40点をはじめ、水彩、素描、版画など約200点が公開された。
芸術の各分野で昨年1年間にすぐれた業績をあげた人々に与えられる芸術選奨受賞者が28日決定し、文化庁から発表された。美術部門では文部大臣賞に彫刻家の船越保武(東京・銀座の現代彫刻センターにおける個展の作品に対して)、写真家の石元泰博(教王護国寺蔵の「両界曼茶羅」など)が選ばれた。
第7回平櫛田中賞は、特異な木彫作家として知られる鈴木実(山形県出身、国画会会員)の「存在する私」に決定した。受賞記念展は5月25日から同月30日まで高島屋で開催された。
フリードリッヒを中心とする19世紀ドイツ・ロマン主義絵画の展覧会が、11日から東京国立近代美術館において開催された(主催・東京国立近代美術館、日本経済新聞社、ドレスデン国立美術館。4月2日まで)。