東洋古代ガラス展

1978年02月

7日から3月12日まで東京国立博物館で開催され、日本の弥生時代から古墳時代にいたるまでの出土遺物をはじめ、朝鮮、中国、東南アジア、エジプト、シリア、ペルシャ、イスラームその他の古代ガラス約600件を展示した。

日本画大賞展新設

1978年01月

東京セントラル美術館は日本画の新人を対象とする公募コンクール展を、今年から隔年で主催し、同展に登竜門的意味の賞を設定することに決めた。展覧会は12月12日から24日までで、大賞(百万円)は1人で、優秀賞(50万円)2人、佳作若干人である。

第26回毎日インダストリアルデザイン賞

1978年01月

第26回毎日ID賞(毎日新聞社主催、通産省後援)の今回の主課題は「企業のもとめるデザイン」、特別課題は「のりものにおける公と私」で前者94点、後者9点の応募あり、審査の結果、主課題12点、特別課題3点の入賞が決定した。主課題特選1席はトリオ株式会社デザイン室秋田道夫「オーディオ・コンポーネント」、同2席はカシオ計算機株式会社中井秀樹「人と数を結ぶもの」、同3席はコンビ石川弘ほかによる「ユニークな幼児用屋外のりもの」、星電器製造株式会社井村恵一「ラジオカセットの楽しさを拡げるアクセサリー」、松下精工株式会社田口周平ほか「風・熱又はその組合せによる Home Appliance」。特別課題特選はGKインダストリアルデザイン研究所小林平治ほか「運動態系―小さな車からの提案」、同奨励賞はシャープKK産機デザインセンター江崎哲ほか「路線バスの提案」、田沼良之ほか「タクシーキャップ」に与えられた。

第19回毎日芸術賞きまる

1978年01月

毎年美術、文学、音楽、演劇、建築、映画、写真、放送の8分野の諮問委員の答申に基づいて選考される毎日芸術賞が1月1日決定し、発表された。今年は、永年にわたる美術評論における幅広い業績と美術館活動をはじめとする戦後の美術界についての功績により美術評論家で神奈川県立美術館館長の土方定一と、国立民族学博物館の設計者黒川紀章、並びにその建築と一体となり格調ある秩序感の展示に成功したとしてトータルメディア開発研究所(代表取締役、小野一)に対して与えられた。

第4回北川桃雄賞決定

1977年12月

美術史家、美術評論家、北川氏の遺産を基金にした北川桃雄賞、(賞金50万円)がこのほど決定した。受賞者は慶応大学博士課程で美術史を専攻する紺野敏文(39歳)で、研究論文「創建期の安禄寺と五智如来像」が対象となった。 

文化財の新指定

1977年11月

今回重要文化財に指定された物件は建造物部門で、民家12件、洋風建築2件、橋1件である。

文化庁、ゴヤの名作を購入

1977年11月

文化庁はこのほどゴヤ晩年の名作といわれる「サン・イシドロの泉の巡礼」(1820年頃、油彩、カンヴァス、33×57cm)を6,000余万円で購入、国立西洋美術館で収蔵することになった。

日本芸術院新会員決まる

1977年11月

日本芸術院は11月21日今年度の会員補充選挙の開票を行い、第1部美術部門から新たに5名の新会員を選んだ。新会員は、日本画家で日展参与の岩田正巳(84歳)、洋画家で日展常務理事の新道繁(70歳)、彫刻家で日展理事の木下繁(69歳)、書家で日展参与の日比野信(五鳳、76歳)の五名である。

東京国立近代美術館工芸館開館

1977年11月

近代および現代における工芸を対象にして東京国立近代美術館工芸館が、11月15日千代田区北の丸公園にオープンした。工芸館の建物は、明治43年に建設された旧近衛師団司令部庁舎(昭和47年10月重要文化財に指定)で昭和48年以来文化財保存修理工事並びに内部改装整備工事が行われてきた。二階(929㎡)が展示室にあてられ、染織、陶磁、ガラス、漆工、木竹工等、金工、七宝等の展示室と企画展示室が設けられている。なお、開館記念展として「現代日本工芸の秀作」展(―53年3月19日)が開催された。

日米美術品保存専門家会議開催

1977年11月

近年頓みに盛んになってきた日米間の美術品の交流、展示会開催の際の保存と取扱いに関する基準を確立するための第二回日米美術品保存専門家会議が、文化庁主催で7日~9日まで開かれた。

宗像沖ノ島展

1977年11月

出光美術館では1954年~58年、1969年~71年にかけて行なわれた学術調査による出土品約3万点の中から、沖ノ島祭祀遺跡の全貌を示す鏡、玉、武器、馬具、ガラス製品などを選んで、1日から12月22日まで展示した。

豊国神社唐門修理完了

1977年10月

老朽化のため、昭和52年春から修理が行われていた京都市・豊国神社、国宝唐門の修理がこのほど完成した。

文化勲章受章者、文化功労者決定

1977年10月

文化勲章受章者並びに文化功労者が10月28日決まった。文化勲章は美術部門から日本画家で創画会会員の山本丘人(本名正義、77歳)が選ばれた。また、文化功労者には美術部門から書家で日本芸術院会員の西川寧(75歳)が選ばれた。

第一回長谷川仁記念賞決まる

1977年10月

絵画と彫刻のすぐれた作品を対象に設けられた長谷川仁記念賞の第一回受賞者が決定し、10月27日東京帝国ホテルで発表と同時に授賞式を行った。受賞者は、独立美術協会会員の洋画家坂本善三と東京芸術大学教授、新制作協会会員の彫刻家舟越保武の両氏で、坂本は「黒い構成」(昭和51年作、第44回独立展出品作)、舟越は「春」(昭和52年作、釧路市幣舞橋のために制作した彫像)がそれぞれ対象作となった。なお、両氏には賞状と賞金百万円が贈られた。

国立国際美術館開館

1977年10月

大阪で初の国立美術館、国立国際美術館(館長 本間正義)が10月15日大阪府吹田の万国博覧会場跡にオープンした。同館は、旧万博美術館を改装したもので、一般公開に先立って10月14日開館式が行われた。建物は4階建で、延べ3600㎡の展示面積をもっている。所蔵品は開館時点で、ホアン・ミロが万国博覧会のために制作した大陶板壁画「無垢の笑い」やヘンリー・ムーアの彫刻、「ナイフ、ジャック」など14点である。なお、開催記念展として「日本の美」(~12月18日)が開催され、「鳥獣戯画図」「伴大納言絵詞」など国宝・重文を含めて約350点が展観された。

漆工史学会設立総会開かる

1977年10月

わが国の伝統工芸である漆工の研究を目的にした漆工史学会(仮称)設立の機運がたかまり、東京国立博物館の秋季特別展「東洋の漆工芸」の開設に合わせ、10月14日徳川宗敬、松田権六岡田譲、細川護貞、吉岡庸治らを中心に設立総会が開かれた。

東洋の漆工芸展

1977年10月

東京国立博物館では、日本を中心に琉球、朝鮮、中国、ヴェトナム、タイ、ラオス、カンボジア、ビルマなど東南アジア各地の漆工芸の歴史、技法、用途を概観する代表的漆器約620件を10月8日から11月23日まで展示した。

中国出土文物展

1977年10月

名古屋市立博物館は開館を記念して、日中文化交流協会、日本経済新聞社、東京・中日新聞社と共催で、秦始皇帝陵出土武人俑など、殷周時代から宋元時代に至る出土品100点を、2日から11月13日まで展示した。

名古屋市博物館開館

1977年10月

1日名古屋市瑞穂区瑞穂通に名古屋市博物館(館長浅井助役兼務)が開館した。同館は「尾張の歴史」をテーマとする常設展示室のほか、特別展示室、市民美術団体のためギャラリー、屋外展示場をも設け、総合美術博物館としての性格をもつものである。なお、蓬左文庫、豊清二公顕彰館を分館としている。

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