角谷一圭

没年月日:1999/01/14
分野:, (工)

 釜師の角谷一圭は1月14日、肺炎のため大阪市の病院で死去した。享年94。1904(明治37)年10月12日大阪市に生まれる。本名辰治郎。17(大正6)年釜師の父巳之助より茶の湯釜の制作技法を習得。のち大国藤兵衛、香取秀真に茶釜、鋳金全般を学ぶ。また細見古香庵からも茶釜制作上の影響を受けた。47(昭和22)年昭和天皇大阪行幸の際に釜を献上する。52年第8回日展に初入選、以後56年第12回日展まで出品するが、58年第5回日本伝統工芸展に「海老釜」を出品して高松宮総裁賞を受賞し、以後は同展に出品、61年には同8回展出品作「独楽釜」で朝日新聞社賞を受賞、その間58年布施市文化功労賞、同年大阪府芸術賞を受けるなど受賞を重ねる。終戦直後に出回った名釜修理・修復に携わり、茶釜の形態、地紋、鉄味を調査、その成果に基づき鎌倉期の筑前・芦屋釜を範とし、のち和銑釜を研究、優雅で格調高い作風を確立した。73年第60回伊勢神宮式年遷宮神宝鏡31面を鋳造、93(平成5)年第61回遷宮の折も制作を手がけた。76年勲四等瑞宝章を受章、78年国の重要無形文化財「茶の湯釜」保持者(人間国宝)となる。84年文化庁企画「茶の湯釜」記録映画で「馬ノ図真形釜」を制作。著書に『釜師―茶の湯釜のできるまで』(1974年 浪速社)がある。弟莎村は釜師、長男征一は金工作家。

出 典:『日本美術年鑑』平成12年版(251頁)
登録日:2014年10月27日
更新日:2015年12月14日 (更新履歴)
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