大原美術館新館落成
1961年05月大原美術館では本館の傍らに新たに分館を建設中であったが、5月30日竣工公開された。鉄筋コンクリート平家建、設計監理、倉敷レイヨン営繕部 浦松鎮太郎、松村慶三
大原美術館では本館の傍らに新たに分館を建設中であったが、5月30日竣工公開された。鉄筋コンクリート平家建、設計監理、倉敷レイヨン営繕部 浦松鎮太郎、松村慶三
国立近代美術館では開館以来二度目の大規模な増築工事に着手したため5月から休館となった。今回の増築工事が完成すれば館の建坪は現在の664坪から500坪増加する。
政府は29日の次官会議で日本芸術院の定員をこれまでの100人から120人に増員することにきめ、30日の閣議で正式に決定された。第一部(美術)はこれまでの50人から56人にふえた。
日本経済新聞社の主催する大規模な俵屋宗達展が5月30日から6月11日まで東京・高島屋で開催され、宗達の代表作のほとんど及び宗達派の作品約100点が展観された。
建長2年、北条時頼が鎌倉に大仏をつくたとき奉納した経文約600巻と、比叡山延暦寺の僧覚超直筆の願文(永延3年)とが和泉市の池辺弘方から発見され、22日に京大赤松俊秀教授鑑定の結果、和泉市から文化財保護委員会に文化財指定を申請することとなった。
ノルウェーの画家エドヴァルト・ムンク(1863~1944)の版画104点がオスロー市立美術館から送られて、5月20日から6月18日まで国立西洋美術館で展示された。わが国では大正時代からムンクの芸術は紹介され、特異な画家として限られた愛好者をもっっていたが、これほど規模の大きな展観は初めてであり、ムンクのペシミスティックな幻想的芸術が広く再認識を求められる貴重な機会を提供した。
北海道松前城の復元工事が完成、16日に祝賀式が行なわれた。
鎌倉の近代美術館では、26日から5月16日まで、明治初期の洋画の流を伝える油彩、水彩、デッサン、銅版など150余点を陳列した。
丸善石油文化福祉事業団は、科学奨励金制度と芸術奨励賞を設けた。芸術奨励賞は、外国留学賞1人、100万円、他に優秀賞五人、5万~10万円で、今年は絵画、彫刻の新人を対象に7月末迄審査の申請を受けつけた。本年度の審査員は富永惣一、滝口修造、河北倫明、上野直昭、嘉門安雄の5名。 奨励賞の受賞者は11月17日発表された「留学賞」下村良之介 作品”浩””張”「優秀賞」志水晴児(彫)作品”め””宇宙船”以下佳作5名。
文化財保護委員会は8日京都国立博物館長に元京都大学教授、文学博士塚本善隆を任命した。
毎日新聞社主催日本国際美術展は、日本を加えて参加15ヶ国、450余点の作品を集めて10日から30日迄東京都美術館で開いた。今年は1952年第1回展を開いて以来10年目を迎え、記念として、「ベルギー絵画40年」、又先般公開したイタリア現代彫刻展の中、秀れた15点を選択して再公開するほか、「海外で紹介する日本作家」などを特別陳列した。
5月下旬からニュージーランドのオークランド市で開かれる「太平洋地域絵画展」に日本の現代作家35人の作品35点を出品することになった。オークランド美術館主催で、日、米、濠など太平洋沿岸諸国が参加、日本の出品作品は、中村貞以、丸木位里、三岸節子、杉本健吉等で国立近代美術館があつせんした。
ペルー国プラード大統領の訪日を機に、同国ムヒカ・ガイヨ氏の黄金コレクション530点を公開した「インカ帝国黄金展」が読売新聞の主催、ペルー大使館後援で5月3日から21日まで東京・上野松坂屋で行なわれ引続き大阪、名古屋でも展示された。
文化財保護委員会は31日建造物と美術工芸品の国宝、重要文化財の指定をきめた。国宝に指定されたのは建造物5件、絵画、彫刻などの美術工芸品11件で、いずれも重要文化財からの格上げ。また新しく重要文化財に指定されたのは建造物21件、美術工芸品42件で、重要美術品からの格上げと新規指定とを含んでいる。
文化財保護委員会では文化財保護法施行以後の暫定措置としてこれまで続いて来た「重要美術品」の認定制度を、明年いっぱいで廃止する方針を決め、重要美術品のうちすぐれたものを重要文化財へ格上げするための選別作業を今年度から急ピッチで進めることになつた。
4月22日より1ヶ月間、東京国立博物館で催された中国宋元美術展には、絵画・彫刻・陶磁・漆工・染織・書跡の各部門にわたる名品400点が一堂に集められた。このように総合的な展観は、日本以外では不可能とも考えられるもので、その意義は高く評価された。
荒川修作、工藤哲己、白髪一雄等、若手前衛作家15人を選んでの文字通り実験展。反絵画、反彫刻的な傾向の最も冒険的な実験作品約70点が12日から陳列され、国立の近代美術館としては果敢な試みであつた。
東京都が開都500年を記念して昭和34年来上野公園に建設中の文化会館はこのほど完成し、7日落成式を行った。前川国男の設計で、内部装飾、音響壁面構成に彫刻家流政之、向井良吉が参加し、また3枚の緞通には吉岡堅二、脇田和、向井良吉がそれぞれ制作に当った。
現代欧州の絵画や彫刻に大きな影響を与えた原始芸術について、近年は各国でも関心が高まり、我国でも昨年、国立近代美術館の原始芸術展(オセアニアを中心)あるいは小規模な土俗工芸品展など相次いでいるが、このアフリカ展は、アフリカ芸術を伝えるものとして、初めての系統的な展観といえよう。イスラエルのサミュエル・デュビナーの収蔵品を中心としてアフリカ全大陸から集められた、仮面、神像、葬儀用具等、総計170余点。読売新聞社主催、テルアビブ博物館・文部省・国立博物館後援で池袋西武百貨店で4月8日から25日まで開かれた。
35年度第17回日本芸術院恩賜賞並びに芸術院賞が4月14日発表された。そのうち美術関係者は次の人たちである。 恩賜賞 川崎小虎 (日本画壇に尽くした功績に対し) 院 賞 第1部美術部門 岩田正巳 (第3回日展出品作「石仏」に対し) 西山英雄 (第3回日展出品作「天壇」に対し) 矢野橋村 (第3回日展出品作「錦楓」に対し) 新道繁 (第3回日展出品作「松」を中心とする近年の業績、とくに35年の個展に対し) 田崎広助 (「初夏の阿蘇山」、「朝やけの大山」ほかの連作に対し) 堀進二 (第3回日展出品作「人海」に対し) 佐治正 (第3回日展の漆工屏風「都会」に対し) 皆川月華 (第3回日展の染彩「濤」に対し) 安東聖空 (第3回日展のカナ「みなそこ」に対し) 中村蘭台 (第3回日展の篆刻「老子語和光同塵」 谷口吉郎 (東宮御所の設計とその他の業績に対し) なお、恩賜賞受賞者には賞金10万円、院賞は16名の受賞者に対し総額70万円が贈られる。