芸術選奨受賞者決定
1998年03月芸術の分野で昨年一年間に優れた業績をあげた人々に贈られる芸術選奨の受賞者が、16日文化庁から発表された。美術関係では、建築家伊東豊雄(56)(「大館樹海ドーム」の設計に対し)、洋画家宮崎進(76)(個展「森と大地の記憶から」に対し)、評論家多木浩二(69)(「シジフォスの笑い」に対し)が文部大臣賞を、またグラフィックデザイナー佐藤晃一(53)(「武満徹―響きの海へ」告知ポスターなどに対し)が新人賞を受賞した。
芸術の分野で昨年一年間に優れた業績をあげた人々に贈られる芸術選奨の受賞者が、16日文化庁から発表された。美術関係では、建築家伊東豊雄(56)(「大館樹海ドーム」の設計に対し)、洋画家宮崎進(76)(個展「森と大地の記憶から」に対し)、評論家多木浩二(69)(「シジフォスの笑い」に対し)が文部大臣賞を、またグラフィックデザイナー佐藤晃一(53)(「武満徹―響きの海へ」告知ポスターなどに対し)が新人賞を受賞した。
日本芸術院(犬丸直院長)は、20日、芸術の各分野で顕著な功績のあった人に贈る平成9年度(第54回)の日本芸術院賞受賞者を決定した。恩賜賞・日本芸術院賞の第1部(美術)受賞者には、松下芝堂(書家、71)(日展出品作「花下酔」に対し)、日本芸術院賞には洋画の中山忠彦(63)(日展出品作「黒扇」に対し)、彫塑の川崎普照(66)(日展出品作「大地」に対し)、工芸の今井政之(67)(日展出品作「赫窯雙蟹」に対し)が選ばれた。授賞式は6月29日に東京上野の日本芸術院会館で行われた。
平面美術の分野で国際的に通用する若手作家を支援するVOCA展(主催・同展実行委員会、財団法人日本美術協会、上野の森美術館)の、最高賞であるVOCA賞は湯川雅紀「無題」に決定した。奨励賞には、伊庭靖子、岡田修二、杉戸洋、太郎千恵蔵の4氏が選ばれた。
平成10年度の文化庁予算は、前年度比1.1%減の818億8800万円とすることが決まった。経済環境の悪化と政府の財政構造改革の施策のなかで、減額となった。
優れた芸術活動をした個人・団体を顕彰する1997年度の第38回毎日芸術賞は、六氏(内1氏が特別賞)に贈られることになった。美術関係では、建築家山本里顕(岩出山中学校の設計に対し)に贈られ、贈呈式が20日、東京のコンチネンタル東京ベイで行われた。
文化財保護審議会(西川杏太郎会長)は20日、名古屋市中区の愛知県庁、名古屋市役所の両本庁舎など、53件を文化財登録するよう、町村信孝文相に答申した。
わが国の文化・社会の発展に多大な貢献をした個人・団体に贈られる朝日賞受賞者を選ぶ財団法人朝日新聞文化財団と朝日新聞社の選考委員会(委員長・松下宗之同財団理事長、同社社長)は、1997年度の受賞者6氏を決定した。美術関係ではグラフィックデザイナーの田中一光が、「日本の美意識をベースにした国際的なデザイン活動」によって受賞。贈呈式は30日、東京日比谷の帝国ホテルで行われた。これで第1回以来の同賞受賞者は373人、24団体となった。
文化庁は、コンピューターグラフィックス(CG)やアニメなど新しい分野の芸術作品を対象に創設した「メディア芸術祭」の初の受賞作品を決定した。アニメーション部門、漫画部門、デジタルアート・インタラクティブ部門、デジタルアート・ノンインタラクティブ部門の四部門からなり、アニメーション部門大賞に「もののけ姫」(宮崎駿監督)をはじめ、それぞれ大賞、優秀賞が決定した。授賞式は、2月2日、東京渋谷区の新国立劇場で行われた。
日本芸術院(犬丸直院長)は21日、今年度の新会員の内定者を発表した。美術関係では日本画の郷倉和子(83)、白鳥映雪(85)が選ばれた。郷倉和子は父郷倉千靭も1972年に会員となっており、親子会員では19組目にあたる。総会の承認を得て、12月15日付けで町村信孝文相が発令する。
文化財保護審議会(会長・西川杏太郎)は21日、重要有形民俗文化財、重要無形民族文化財新指定について町村信孝文相に答申するとともに、近代建造物の保護を目的とした文化財登録の対象として、奥山家住宅洋館(福島県国見市)、静岡銀行本店(静岡市)など47件を村田英樹文化庁長官に答申した。
新鋭の美術評論家や美術史家を顕彰する倫雅美術奨励賞(倫雅美術奨励基金主催)の第9回目の受賞者は、「美術評論・美術史研究部門」では稲賀繁美(国際日本文化研究センター助教授)『絵画の黄昏―エドゥアール・マネ没後の闘争』(名古屋大学出版会刊)、猿渡紀代子(横浜美術館学芸係長)「アジアへの眼 外国人の浮世絵師たち」展の企画とカタログ中の論文、過去3年間の活動が対象となる「創作活動部門」では、今年は彫刻・立体造形作家から選考がなされ青木野枝が選ばれた。贈呈式は9日、東京赤坂プリンスで行われた。
サントリー学芸賞の第19回目の受賞者が4日公表された。美術関係では「芸術・文学部門」で稲賀繁美(国際日本文化研究センター助教授)『絵画の黄昏―エドゥアール・マネ没後の闘争』(名古屋大学出版会刊)、「社会・風俗部門」で港千尋(多摩美術大学助教授)『記憶』(講談社)が選ばれた。受賞式は26日、東京丸の内パレスホテルで行われた。
政府の行政改革会議(会長・橋本竜太郎首相)が独立行政法人(日本版エージェンシー)への移行の検討対象をリストアップする資料が10日、公表され、文部省所管の国立博物館などを含む13機関・業務が挙げられていることが明らかになった。独立行政法人は、中央省庁から執行部門を切り放して国とは別の法人格を持たせるもので、業務の効率やサービスの質、透明性の向上を図ることが目的とされている。
政府は平成9年度の文化勲章受章者と文化功労者を決定し、21日に公表した。美術関係では金工の高橋節郎(83)が文化勲章受章者に、日本画家の加山又造(70)、ガラス工芸家の藤田喬平(76)、詩人で美術評論家の大岡信(66)が文化功労者に選ばれた。文化勲章の親授式は11月3日に皇居で、文化功労者の顕彰式は翌4日に東京虎ノ門のホテル・オークラで行われた。
日本・東洋の美術に関する優れた研究を顕彰する国華賞(主催―国華社、朝日新聞社)の第9回目の受賞者は、佐々木丞平(京都大学教授)・正子(日本画家)『円山応挙研究』研究編・図録編(中央公論美術出版刊)、宮崎法子(実践女子大学教授)「中国花鳥画の意味―藻魚図・蓮池水禽図・草虫図の寓意と受容について」(『美術研究』第363・4号)、吉村稔子(神田外語大学講師)「東京国立博物館保管孔雀明王画像試論―図像の継承と変容」(『美術史』141号)に決定した。贈呈式は24日、東京・築地の朝日新聞社浜離宮朝日小ホールで行われた。
文相の諮問機関である文化財保護審議会(会長・西川杏太郎)は、17日、江戸時代の高度な寺院建築を示す瑞龍寺(富山県高岡市)の仏殿、法堂、山門を国宝に、近代産業遺構の旧横浜船渠株式会社第2号ドック(神奈川県横浜市)、旧中村家住宅主屋、土蔵(長野県美麻村)、など7件を重要文化財に、鏡山城跡(広島県東広島市)、二ツ森貝塚(青森県天間林村)など4件を史跡に、阿波国分寺庭園(徳島市)を名称に、それぞれ指定するよう町村信孝文相に答申した。また、近代建造物の保護を目的とした文化財登録制度の対象として、三池炭坑宮浦坑煙突(福岡県大牟田市)、岩国徴古館(山口県岩国市)などを86件を登録するようあわせて答申した。これで国宝は209件、重要文化財は2151件となった。
兵庫県立近代美術館、西宮市大谷記念美術館、芦屋市立美術館博物館、芦屋市谷崎潤一郎記念館の4館がモダニズムを統一テーマに共同開催した「阪神間モダニズム展」が18日から12月7日まで行われた。図録も統一カタログとし、書店でも流通させて注目された。
新潟県新津市南部の「金津丘陵ふれあい文化ゾーン」に1日、新津市美術館(横山正館長)がオープンした(新津市大字蒲ヶ沢109-1)。鉄筋コンクリート二階建ての建物は、連続する階段からなるアトリウムや天井高10メートルの大展示室などからなり、延べ床面積4275平方メートル。350人収容の野外劇場が併設されている。同市に寄贈されて美術館設置の契機ともなった地元出身の洋画家笹岡了一の作品、資料以外は所蔵品を持たない計画で、特色ある美術館の空間を生かしてイベント、パフォーマンスなどを行っていく方針である。また、アーティスト・イン・レジデンス的な企画も行っていく。開館記念展は笹岡了一の個展を二部構成で開催(1部1日~11月23日、2部98年1月6日~3月1日)。
最上川の近く約3万平方メートルの敷地に3日、酒田市美術館(安井収蔵館長)が開館した(酒田市、宮野浦飯森山西17-95)。鉄筋コンクリート一階建ての建物は池原義郎建築設計事務所の設計になり、常設展示室、企画展示室、展示ホール、市民ギャラリーなどがある。美術館設立計画が酒田市出身の作家・コレクターからの寄贈を契機として進められてきた経緯から、今後も地元作家とそれに関連する近代の美術作品を収集していく方針。開館記念特別展は同市在住のコレクターの収集品を中心とする「卒寿記念―森田茂展」(3日~11月3日)。
日光の出身で同市名誉市民であった小杉放菴の作品を中心にその関連作家の作品・資料を収蔵・展示する小杉放菴記念日光美術館が、8日に開館(日光市山内3288-3)。延べ床面積1825平方メートルの建物は、神橋や東照宮などの歴史的景観を妨げないよう配慮されている。放菴の遺族より1992年に一括寄贈を受けた油彩画、水彩画、素描など1200点の作品・資料をもとに、その周辺作家、日光ゆかりの作家、作品を収集・展示していく。開館記念展は代表作とスケッチにより画業を多角的に検証する「小杉放菴展」(8日~11月24日)。