重要文化財(建造物)指定

1997年03月

文化財保護審議会(西川杏太郎会長)は21日、重要文化財に明治生命保険本社本館など歴史的建造物8件を、また、伝統的な町並みを保存する「重要伝統的建造物群保存地区」1件、登録文化財52件を新たに指定するよう小杉隆文相に答申した。明治生命保険本社本館の指定については、近代文化遺産の保存策として対象を終戦時まで拡大するのに伴うもので、昭和期の建造物では初の重文指定となる。

宇都宮美術館開館

1997年03月

23日、宇都宮市の市制100周年記念事業で計画された“うつのみや文化の森”の主要施設の一つとして、宇都宮美術館が開館(栃木県宇都宮市長岡町1077番地)。“地域と美術”“生活と美術”“環境と美術”を作品収集のテーマとし、岡田新一設計による美術館建物は地上二階地下一階の低層構造で、展示室三室のほかに講義室、ミュージアムショップ、レストランなどが設けられている。開館記念展は「20世紀美術の冒険―セザンヌ、ファン・ゴッホから現在までアムステルダム市立美術館コレクション展」(23~5月18日)。

文化庁予算決まる

1997年02月

平成九年度の文化庁予算は、前年七月に文化庁がとりまとめた「文化立国21プラン」に基づき、前年度比10.4%増 の828億円とすることと決まった。新規事業としては、国内外の芸術家を招へいし、地域に一定期間滞在、創作活動等を行うことにより、高度で独創性にあふれた芸術文化の創造を図るアーティスト・イン・レジデンスに1億200万円、これまで十分な保護措置が講じられてこなかった近代文化遺産の保護施設の充実に4200万円などが計上されている。

芸術選奨受賞者決定

1997年03月

芸術の各分野で昨年一年間に優れた業績をあげた人々に贈られる芸術選奨の受賞者が、13日文化庁から発表された。美術関係では彫刻家江口週(64)(個展「記憶の解体 忘れられた廃屋から」などに対し)、洋画家三尾公三(73)(個展「心承空間への誘い 三尾公三展」に対し)、美術史家武田恒夫(71)(著作『狩野派絵画史』に対して)が芸術選奨文部大臣賞を、建築家村上徹(47)(公共建築「庵治町役場」に対し)が芸術選奨新人賞を受賞した。

VOCA賞受賞者決定

1997年02月

平面美術の分野で国際的に通用する若手作家を支援するVOCA賞が小池隆英「undercurrent」に贈られることになった。またVOCA奨励賞には上田奈保、善住芳枝、曽根裕、東郷靖彦の4名、選考委員特別賞に第1回VOCA賞受賞の福田美蘭が選ばれた。

第12回小山敬三美術受賞者決定

1997年02月

優れた作品を発表してきた中堅の具象画家に贈られる小山敬三賞の第12回目の受賞者は立軌会会員の福本章に決定した。また、「美術文化の国際交流事業に対する援助」により財団法人清春白樺美術館財団に140万円が贈られることとなった。

文化財建造物指定

1997年02月

文化財保護審議会(西川杏太郎会長)は21日、静岡県の「明治宇津ノ谷隧道」や宮崎県の「黒北発電所」など66の建造物を文化財建造物に登録するよう小杉隆文相に答申した。

毎日芸術賞受賞者決定

1997年01月

優れた芸術活動をした個人・団体を顕彰する1996年度(第38回)毎日芸術賞は六氏に贈られることとなった。美術関係ではグラフィックデザイナーの杉浦康平(『井上有一全書業』など一連のブックデザインに対して)、画家の野見山暁治(「野見山暁治展―その、動く気配の一瞬の形を」に対して)が受賞した。また今回は特別賞が一氏に贈られ、建築家の篠原一男(作品集『篠原一男』の刊行と一連の建築業績に対して)が受賞した。贈呈式は14日、ホテル・インターコンチネンタル東京ベイで行われた。

東京国際フォーラム開館

1997年01月

10日、旧都庁跡地に東京国際フォーラムが開館(東京都千代田区丸の内3-5-1)。アメリカの建築家ラファエル・ヴィニオリの設計による同館は4つのホールとガラスホールからなる総合文化情報施設で、コンサート、演劇・舞踊、シンポジウム、企画展など多彩な催しが開かれる。また施設内には国内外の美術作家50人による134作品が設置されている。

原爆ドームと厳島神社が世界遺産に

1996年12月

メキシコのメリダで開かれていた第20回世界遺産委員会は、日本が推薦していた広島市の原爆ドームと広島県宮島町の厳島神社を世界遺産に登録することを6日決定した。

安井賞受賞者決定

1996年12月

“具象絵画の芥川賞”として多数の人材を輩出してきた安井賞展(主催=財団法人安井曽太郎記念会、毎日新聞社、セゾン美術館)の第40回目の選考委員会が11日に開かれ、安井賞は柳田昭(48)の「水温む頃」、佳作賞は上川伸(37)の「THE WALL “Main Stream: type D”」、特別賞に安達博文(44)の「虹の境界」に贈られることとなった。なお、同展は、具象に限定したコンクール展が現在の美術動向にそぐわないとの声も強まり、記念会理事会が「(同展は)すでにその使命を達成した」として、平成9年開催の第40回で幕を閉じることが11月15日に発表されている。  

芸術院新会員決定

1996年11月

日本芸術院(犬丸直院長)は22日、今年度の会員補充選挙を行い、あらたに9人を新会員に内定した。美術関係では洋画の奥谷博(62)、彫塑の橋本堅太郎(66)が選ばれた。総会の承認後、12月15日付で小杉隆文相が発令する。

登録文化財の答申

1996年11月

文化財保護審議会(西川杏太郎会長)は15日、東京大学の安田講堂、小岩井農場本部事務所など119件の建造物を登録文化財とするよう小杉隆文相に答申した。主に近代以降の建築物の保護のため、10月施行の改正文化財保護法で新設された文化財登録制度を適用した初答申となった。

美術展図録の専門図書館開館

1996年11月

美術展のカタログを収集する専門図書館「アートカタログ・ライブラリー」が14日、東京・赤坂に開館した。収集されたカタログは開館時点で約2800冊。平成7年度以降に国内で開催された展覧会カタログと美術館の収蔵品カタログが中心。

倫雅美術奨励賞受賞者決定

1996年11月

優れた美術評論や美術史研究および創作活動に贈られる倫雅美術奨励賞の第8回受賞者が決まり、美術評論・美術研究部門では仙台市博物館の内山淳一(37)の『江戸の好奇心-美術と科学の出会い』(講談社)と東京大学大学院の高階絵里加(31)の「パリ時代の山本芳翠」(『近代画説』4号)、創作活動部門では吉沢美香(37)の「個展を中心にした最近の創作活動」が選ばれた。贈呈式は12月3日、赤坂プリンスホテルで行われた。

田辺市立美術館開館

1996年11月

和歌山県田辺市に1日、田辺市立美術館(下口弘館長)が開館した(和歌山県田辺市新庄町3588-1)。同市出身の収集家、脇村礼次郎より寄託されたコレクションをもとに、紀州の文人画を中心とした近世・近代の文人画、郷土ゆかりの作家などを収集・展示する。地上一階で延べ床面積は約1580平方メートル。

サントリー学芸賞受賞者決定

1996年11月

第18回サントリー学芸賞(サントリー文化財団主催)の受賞者が、6日決定された。4部門9人の受賞者のうち、美術関係では芸術・文学部門で飯沢耕太郎『写真美術館へようこそ』(講談社)が受賞した。

東大寺戒壇院、3度の焼失跡確認

1996年11月

奈良・東大寺の戒壇院が創建以来、三度焼失していたことが発掘調査で確認された。調査している県立橿原考古学研究所が11日発表したもので、天平勝宝6(754)年に鑑真が戒律を授けた創建当時の基壇や三層の火災の焼土面、瓦、石列などが見つかった。

浜田市世界こども美術館開館

1996年11月

島根県浜田市に1日、おもに子どもを対象に特色ある作品収集や展覧活動を行う美術館として浜田市世界こども美術館が開館した(島根県浜田市野原町859-1)。7100平方メートルの敷地に建てられた建物は、「日本海に漂う創造と美の船」をイメージした高松伸の設計により、延べ床面積約3600平方メートルの五階建て、四・五階に四つの展示室を持つほか、三階には多目的ホールと映像コンピュータ室、入口階の二階にミュージアムショップ、事務室など、一階に三つの創作室と図書室を備えている。開館記念展は「こどものためのパウル・クレー展」(1~97.1.26)。

地底の森ミュージアム開館

1996年11月

仙台市の富沢遺跡で昭和63年3月、地表下5メートルに2万年前の森と人類の活動の痕跡が発見されたため、その遺跡を800平方メートルにわたって地下にそのまま保存展示する「地底の森ミュージアム」(正式名称・仙台市富沢遺跡保存館、宮城県仙台市太白区長町南4-3-1)が2日に開館した。敷地面積14263平方メートル、地上1階・地下一階、延床面積2743平方メートルで発掘の状態のままで展示する地下常設展示室のほか復元された氷河期の森を散策できる野外展示等、遺跡の保存、活用にあらたなかたちを示して注目された。