東京国立博物館平成館開館
1999年10月皇太子殿下ご成婚記念として東京国立博物館に建設がすすめられていた平成館が、12日に開館した。施設は、地上3階、地下1階、延べ床面積約18,000平方メートル、2階部分に3,000平方メートルの特別展示室4室がある。開館記念として特別展「金と銀―かがやきの日本美術」を開催した。同展は、弥生時代から江戸時代までの考古資料、絵画、仏像、工芸品、書跡など276件によって、素材としての金と銀の多様な技法と表現を展観しようとするものであった。
皇太子殿下ご成婚記念として東京国立博物館に建設がすすめられていた平成館が、12日に開館した。施設は、地上3階、地下1階、延べ床面積約18,000平方メートル、2階部分に3,000平方メートルの特別展示室4室がある。開館記念として特別展「金と銀―かがやきの日本美術」を開催した。同展は、弥生時代から江戸時代までの考古資料、絵画、仏像、工芸品、書跡など276件によって、素材としての金と銀の多様な技法と表現を展観しようとするものであった。
旧石器時代から近代、現代までの東北地方の歴史と文化を研究、総合展示するための同博物館(宮城県立)が、9日、宮城県多賀城市に開館した。「体験できる博物館」という基本方針のもと、来館者がさまざまなかたちで参加、体験できるコーナーを設け、また「こども歴史館」などの施設がある。開館記念展として「祈りのかたち―東北地方の仏像」展を開催した。同展は、東北6県に伝えられてきた飛鳥時代後期から江戸時代までの仏像等131体によって構成され、今日まで伝承されている年中行事や民俗芸能のもとにある仏教文化を紹介する内容であった。
東京芸術大学に、5日、同美術館が開館した。施設は、地下4階、地上4階、延べ床面積約8,720平方メートル、展示面積は約1,500平方メートル。開館記念展として、所蔵芸術資料約45,000点のなかから精選した作品で構成した、「芸大美術館所蔵名品展」を開催した。
彫刻家中原悌二郎の業績を記念して、北海道旭川市が創設した同賞の第30回の受賞に、吾妻兼治郎「YU-847」に、同優秀賞に西雅秋「Innocence-Wedge」に決定し、3日、旭川市内で贈呈式が行われた。
静嘉堂に収蔵された仏教美術をはじめて、まとめて公開する同展が、2日から静嘉堂文庫美術館(東京都世田谷区)で開催された。同展は、中国、朝鮮半島、日本の東アジア三国の13、4世紀の仏画の態様を比較するまたとない機会となった。
24日、台風18号による強風と高波により、広島県宮島町の厳島神社で、左右一対ある国宝「門客神社」のうち、豊石窓命をまつった左門客神社が倒壊した。また、高潮のため回廊全体や能舞台が水没した。
「役行者」の名で知られ、修験道の開祖である役小角の1300年の御遠忌を迎えることを記念した同展が、11日から東京池袋の東武美術館で開催された。修験三本山である醍醐寺、聖護院、金峯山寺、さらに修験道の聖地である大峯山寺にのこるさまざまな遺品約350点によって構成され、かならずしも正当に評価されてこなかったとされる修験道の美術をみなおそうとする内容となった。(会期、10月17日まで。以後大阪市立美術館に巡回。)
セザンヌの作品とともに、明治末年から日本に紹介され、親しまれてきたこの画家の受容史をたどろうとする同展が、11日から横浜美術館で開催された。セザンヌの作品を紹介するばかりでなく、日本人にとってのセザンヌ像を検証しようとする試みであった。(会期、12月19日まで。以後同展は、愛知県美術館に巡回。)
日本の近代洋画史では、黒田清輝をはじめ多くの画家が師事したことで大きな影響をあたえたとされながら、本国フランスでは、今日まで顧みられることのなかった画家コランの回顧展が、10日から静岡県立美術館で開催された。同展は、国内、フランスからコランの作品や自身が収集した日本美術の作品など131点によって構成され、19世紀後半から20世紀初頭に制作をつづけた、このアカデミー派の画家のはじめての本格的な回顧展となった。(会期、10月24日まで。以後同展は、福岡市美術館など5美術館を巡回した。)
30年代の美術をみなおそうとする展覧会として、「危機の時代と絵画 1930-1945」展が、3日から愛知県美術館で、また「20世紀日本美術再見Ⅲ 1930年代」展が、4日から三重県立美術館(会期、11月7日)でそれぞれ開催された。前者は、第二次世界大戦に向かう時代を、「危機の時代」としてとらえ、国吉康男、靉光、松本竣介など13人の画家たちの作品82点を精選して構成した。また、展覧会シリーズとしての後者は、30年代を、モダニズムと「日本的」と称される表現との両極を視野にいれて、絵画、彫刻、デザイン、工芸、写真、建築と、400点をこえる作品によって総合的に回顧をこころみたものであった。同時代をあつかいながら、対照的な構成であったが、時代の様相の深さを知るうえで貴重な機会となった。
三越新宿店の南館8階を展示スペースに、91年に開館した同美術館は、同店の営業不振により閉館となった。
第46回の同展(文化庁、日本工芸会等主催)は、716点の入選作から、日本工芸会総裁賞に山口松太の乾漆堆錦箱「古陵想」など13点の入賞作を選び、公表した。
法隆寺献納物を収蔵する東京国立博物館の法隆寺宝物館が、改修工事を完了し、20日に開館した。新館(谷口吉生設計)は、地上3階、地下1階、延べ床面積4,030平方メートル、開館記念展として「生まれ変わった法隆寺宝物館」展を開催した。
文化財保護審議会(西川杏太郎会長)は、16日、俵屋旅館(京都市)など建造物76件を登録有形文化財に登録するよう有馬朗人文相に答申した。
同賞(札幌彫刻美術館等主催)は、97年9月に死去した彫刻家井上武吉の作品「my sky hole97-2 水面への回廊 琵琶湖」に決定された。贈呈式は、8月27日、札幌彫刻美術館で行われた。
文化、芸術の発展に貢献した芸術家に贈られる第11回高松宮殿下記念世界文化賞(財団法人日本美術協会主催)の受賞者が公表された。美術関係では、絵画部門でアンゼルム・キーファー(ドイツ、54)、彫刻部門でルイーズ・ブルジョワ(米国、87)、建築部門で槙文彦(70)が選ばれた。日本人の受賞は、89年の同賞創設以来、5人目となった。
97年5月に死去したグラフィックデザイナー亀倉雄策の業績をたたえ、優れたデザイナーを表彰するために創設された第1回の同賞(同賞事務局主催)の受賞者に田中一光が選ばれた。対象となったのは「サルバトーレ・フェラガモ展」のグラフィックデザインと空間デザインで、22日、贈呈式が金沢市民芸術村オープンスペース(石川県金沢市)で行われた。
文化財保護審議会(西川杏太郎会長)は、21日、11人を重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定するよう有馬朗人文相に答申した。工芸技術の部では、有職織物の喜多川俵二(63)、読谷山花織の与那嶺貞(90)、螺鈿の北村昭斎(61)、沈金の前史雄(58)、友禅の田島比呂子(77)、彫金の鴨下春明(83)が選ばれた。これで、現在の人間国宝は104人、これまでの延べ人数は265人となった。
文化庁は、9日までに琉球王国の歴史と文化を伝える首里城跡(沖縄県那覇市)や中城城跡(同県中城村)など、沖縄本島の5ヶ所の城跡などを、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に推薦することを決めた。
奈良国立博物館において、27日から、同展が開催された。美術作品の題材として頻繁にとりあげられてきた隠遁者のイメージを、絵画等146点によって構成し、さまざまな側面から展観し、日本人と「聖」、「隠者」の関わりをあきらかにしようとする内容であった。