重要文化財(建造物)指定
2000年03月文化財保護審議会(西川杏太郎会長)は、17日、山形県羽黒町の「羽黒山三神合祭殿および鐘楼」など8件を、重要文化財(建築)に指定するよう中曽根弘文文相に答申した。これで、重要文化財(建築)は、2,191件となった。
文化財保護審議会(西川杏太郎会長)は、17日、山形県羽黒町の「羽黒山三神合祭殿および鐘楼」など8件を、重要文化財(建築)に指定するよう中曽根弘文文相に答申した。これで、重要文化財(建築)は、2,191件となった。
日本芸術院(犬丸直院長)は、10日、芸術の各分野で顕著な功績のあった人に贈る平成11年度の日本芸術院賞受賞者を決定した。恩賜賞・日本芸術院賞の第1部(美術)受賞者には、洋画家庄司栄吉(81)(日展出品作「聴音」に対し)、日本芸術院賞には日本画の那波多目功一(66)(院展出品作「富貴譜」に対し)、工芸の古賀将夫(57)(日展出品作萩釉広口陶壺『曜 ’99・海』に対し)、書の梅原清山(77)(現代書道二十人展出品「漢鐃歌三章」に対し)、建築の長谷川逸子(58)(「新潟市民芸術文化会館及び周辺ランドスケープの設計」)が選ばれた。授賞式は6月19日に東京、上野の日本芸術院会館で行われた。
財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団が主催する第3回の同賞の最終審査が、2月22日におこなわれ、受賞者が決定した。大賞は、該当者がなく、準対象にN.キデヒトの「終わらないにらめっこの脱け殻」(インスタレーション)、藤阪新吾の「よいこの学習」(インスタレーション)に贈られることになった。
文化財保護審議会(西川杏太郎会長)は、18日、東京都渋谷区立広尾小学校や琵琶湖上に立つ平安中期創建と伝えられる海門山満月寺浮御堂(滋賀県大津市)など110件を登録有形文化財に登録するよう答申した。登録される文化財建造物は781ヶ所、1,670件となった。
具象、抽象の区別なく、絵画・平面系の若手作家を対象としたVOCA2000展(同展実行委員会、財団法人日本美術協会、上野の森美術館主催)の最高賞であるVOCA賞は、31作家のなかから岩尾恵都子「Oslo」「Cuzco」に決定した。奨励賞には、坂井淑恵、内藤絹子、フジイフランソワ、みやじけいこが選ばれた。
同賞の受賞者で、美術関係では、「いなみ国際木彫刻キャンプ実行委員会」(富山県)が選ばれた。同委員会は、91年に設立され、海外と地元の彫刻家が公開制作をおこない、完成作品を野外展示するキャンプを4年に一度、企画実施しており、その活動が、このほど評価された。
東京国立近代美術館、国立西洋美術館、京都国立近代美術館の主催により、同展(会場、国立西洋美術館)が1月12日から開催された。絵画に描かれた顔に焦点をあて、20世紀の絵画表現の核心を見つめなおそうとする企画で、国内外の45作家、98点によって構成された。(会期、2月23日まで。以後京都国立近代美術館に巡回した。)
新鋭の美術評論家や美術史家を顕彰する倫雅美術奨励賞(同基金)の第11回目の受賞者は、「美術評論・美術史研究部門」に、佐藤道信(東京芸術大学助教授)の著作『明治国家と近代美術』、沼田英子(横浜美術館学芸員)の「世界を編む」展の企画及びカタログ中の論文が選ばれた。
天皇陛下御即位10年を記念して、「皇室の名宝―美と伝統の精華」展が、14日から東京国立博物館で開催された。同展は、御物のほか、宮内庁、東京国立博物館、奈良国立博物館に保管されている考古遺物、宸翰及び書、絵画、工芸品、さらに中国絵画及び近代絵画まで、211点によって構成されたもので、各時代において皇室が芸術の守護者、推進者としての役割を担ってきた足跡を紹介する内容であった。
2日、モロッコのマラケシュで開かれていたユネスコの世界遺産委員会は、日本政府が推薦した「日光の社寺」(栃木県日光市)を世界遺産に登録することをきめた。国内の世界文化遺産としては、8件目、自然遺産を含めると10件目となる。
日本文化が近代欧米に与えた影響など東西交流についての優れた研究に贈られる同賞の第20回目の受賞者が公表された。受賞作は、クリストフ・マルケ(フランス国立東洋言語文化研究所助教授)の『Ebis』誌98年冬期特別号「H・チュルヌスキ その政治・経済活動と東洋美術蒐集」の編集・出版、鈴木弘子(筆名・桂木紫穂 総合美術研究所主任研究員)の「印象派から二十世紀への絵画名品展」(明石市立博物館、98年)図録所収の論文「『画商の使徒』テオ・ファン・ゴッホとカミーユ・ピサロ」、また同特別賞は深井晃子(神戸女子大学教授)の「モードのジャポニスム」ロサンゼルス展(98年)ニューヨーク展(98・99年)の企画に対して贈られた。
近代日本における「前衛」表現を、ヨーロッパ・アヴァンギャルド芸術の受容と影響という視点からだけではなく、その自律的な展開と同時代のヨーロッパ芸術との交錯という視点からとらえなおそうとする同展が、23日から京都国立近代美術館で開催された。絵画、彫刻、工芸、デザイン、建築、写真、美術教育など多岐にわたる出品作約290点によって構成され、同時代の「前衛」を再考する機会となった。(会期、翌年1月23日まで。以後同展は、水戸芸術館現代美術センターに巡回。)
日本芸術院(犬丸直院長)は、平成11年度の会員補充選考を行い、新会員7名を内定し、15日付けで発令した。第一部(美術)では、日本画の佐藤国男(77)、同じく山岸純(69)、洋画の島田章三(66)、工芸の大樋年朗(72)が会員となった。
故岡本太郎(96年歿)の作品約2,000点を収蔵、展示する川崎市岡本太郎美術館が、同市多摩区に完成し、30日に開館した。同作家が、生前に同市に寄贈した作品を保存、公開することを目的に建てられたもので、施設は地上一階、地下一階で展示面積約5,000平方メートル、正面広場には約30メートルの彫刻「母の塔」が立つ。
サントリー学芸賞(サントリー文化財団)の第21回目の受賞者が28日に公表された。美術関係では、「芸術・文学部門」で佐藤道信(東京芸術大学助教授)の『明治国家と近代美術』(吉川弘文館)が選ばれた。贈呈式は、11月24日、東京丸の内の東京会館で行われた。
政府は、26日、11年度の文化勲章受章者と文化功労者を公表した。美術関係では、日本画家の秋野不矩(91)が文化勲章を受章、また、陶芸家の青木竜山(73)、日本画家の大山忠作(77)、彫刻家の舟越保武(86)、元奈良国立文化財研究所長で大阪府文化財調査研究センター理事長の坪井清足(77)が選ばれた。
頼朝没後800年を記念した同展が、23日から神奈川県立歴史博物館で開催された。同展は、源頼朝にゆかりのある寺社の美術資料をはじめ、頼朝が鎌倉に建立した永福寺の調査の成果や自筆の古文書を展示するとともに、各地につたわる頼朝像を一堂にあつめ、いまもなお日本人のなかに生きつづけるイメージを検証する機会となった。
日本及び東洋の美術をテーマにした研究論文を対象に、平成元(1989)年に創設された國華賞(國華賞顕彰基金)の受賞者が公表された。受賞作は、須賀みほ(青山学院大学非常勤講師)の「弘安本北野天神縁起絵巻再考―系統諸本の考察から」(『美術史』146号、平成11年3月)、亀井若菜(学習院大学非常勤講師)の「サントリー美術館蔵『日吉山王・祇園祭礼図屏風』の制作意図」(『國華』1238号、平成10年12月)。贈呈式は、10月22日、東京築地の朝日新聞社浜離宮朝日小ホールで行われた。
桃山から江戸時代にいたる「きもの」に焦点をあてた同展が、19日から京都国立博物館で開催された。同展は、当時の小袖や絵画資料など225点によって構成され、服飾としての「きもの」を、流行(モード)という視点からみなおし、日本人の美意識の変遷をたどろうとする内容であった。
文化財保護審議会(西川杏太郎会長)は、15日、旧青木家那須別邸(栃木県黒磯市)、旧額田郡公会堂と物産陳列所(愛知県岡崎市)など7件の建造物を重要文化財に指定するよう中曽根弘文文相に答申した。また、歴史的な街並みを保存する重要伝統的建造物群保存地区と、近代建造物の保護を目的にした登録有形文化財(建造物)に79件を指定、登録するようにあわせて答申した。