雑誌「デザイン」創刊

1959年10月

美術出版社では、デザイン関係の専門誌として月刊「デザイン」を企画、10月創刊号を発行した。

二科会はパリのコンパレゾン展覧会と交換展を契約

1959年10月

二科会では、パリのコンパレゾン展覧会代表者ボルド・ルペックと交換展の契約を行つた。二科会の作家50人の作品を選んで来春フランスでの同展に送り陳列する。一方フランス側の作品は来秋の二科展に2室分展観紹介しようという。コンパレゾン展は絵画・彫刻の綜合グループで様々な傾向の作家を含んでいる。

ベルギー第2回国際陶芸展で受賞

1959年10月

ベルギーのオステンド市で開催されていた第2回国際陶芸展で八木一夫が金賞、浜田庄司が銀賞をうけた。ジュネーヴに本部をもつ国際陶芸協会の主催で2年ごとに行われる展覧会で、同協会の日本代表小山冨士夫のすすめで外務省が代表作家の作品を買上げ、更に在外公使館の所蔵作品を加えて25点出品したものである。

川合玉堂記念館くわ入式行われる

1959年10月

晩年を東京都青梅市沢井上分に住み、去る32年逝去した川合玉堂の業績を永久に記念しようと玉堂記念館の建設がすすめられていたが、このほど、東都知事の手でくわ入式が行われた。32年秋結成された玉堂会(名誉会長高橋誠一郎、会長榎戸米吉青梅市長)が中心となつて計画が進められている。

紫綬褒章受賞者

1959年10月

学問、芸術の発明、改良創作に寄与した功労者20人に27日紫綬褒章が贈られることになつたが、美術関係の人は (版画複刻)川面義雄 (評論出版)下中弥三郎 (古建築修理)岸熊吉 (童画)武井武雄 (建築学)内藤多仲 (人形研究)西沢笛畝 (金工修理)藤島三郎 (浮世絵版元)渡辺庄三郎 授賞式は11月3日文化の日に行われる。

重要文化財の新指定

1959年10月

文化財保護委員会は16日重要文化財の新指定を行つた。絵画29件、彫刻18件、工芸品43件、書跡46件、考古11件、計147件である。

西本願寺蔵国宝三十六家集展

1959年10月

15日-29日於根津美術館。日本経済新聞社・根津美術館共催、西本願寺の宝物三十六人集の展観である。平安貴族芸術の粋をあつめたこの家集は、料紙の美しさと文字の美しさが調和して更に一段と美的効果をあげている。王朝文化を考える上からも必見の催しであつた。

イタリア、プレミオリソーネ美術展で堂本尚郎入賞

1959年10月

北イタリア、リソーネ市で開催された第11回プレミオ・リソーネ美術展で、堂本尚郎が第2位特別賞(10万リラ)を受賞した。この展覧会は前衛美術に限定された国際ビエンナーレ展で、他に田渕安一(美術館賞)川端実(名誉賞)も入賞した。なお1位はイタリアのベデバであつた。

石川県立美術館開館

1959年10月

兼六園の一角に建造中の石川県立美術館は、9月竣工、10月12日落成開館した。地下1階、地上2階、延1593平方米(482坪)鉄筋コンクリート造、総工費76,250万円で、金沢出身の谷口吉郎が設計にあたつた。所蔵品は786点、仁清の色絵雉香炉、同、色絵梅花文様平水指ほか工芸品が過半を占めている。

隋唐の美術展

1959年10月

11日-11月8日於京都国立博物館。京博恒例の秋の特別展覧会で、日本に古来伝わる遺品を主とし、更に近年中国各地の遺趾から出土したものなど、いろいろな遺品を美術各分野にわたつて網羅したものである。出陳作品は絵画22点、書跡35点、彫刻33点、陶彫152点、陶瓷84点、金工54点、染織53点に及んでいる。

産業工芸試験所で米人デザイナーを招く

1959年10月

産業工芸試験所ではJ.Doblin, Dave Chapman, の2名の米人デザイナーを講師として招き、5日から約1ケ月、同試験所及び都道府県の関係職員、民間デザイナー約30人について講義と実習指導を行つた。

日本機械デザインセンター設立

1959年09月

かねてから設立が望まれていた機械関係のデザイン・センターが創立、29日創立総会を開いた。デザイン・センターの主な業務は、1 機械類のデザインなどの保全登録及び認定に関するもの、2 デザインに関する調査研究、3 新規デザインの考察、指導及び助成に関する業務、4 デザインに関するPR、5 デザインに関する紛争の調停、6 その他、となつている。理事長、日本機械輸出組合理事長 弘中、理事藤井左内、小池新二小池岩太郎

文部省、優秀美術品買上制度を設ける

1959年09月

美術奨励のため、文部省は今年度から、展覧会発表作品中の優秀作品を国で買取ることをきめ、9月19日買上作品の選考委員として今泉篤男河北倫明辻永富永惣一柳亮の5名を決定した。国立近代美術館が行つている作品買上と平行して、若手や新人、中堅級の画家に重点をおき展覧会出品作品が対象となつている。本年は100万円の予算で(10点位の購入を予定)あるが、来年度は200万円位に増額して、彫刻、工芸にまで及ぶ計画でいると20日発表した。

サンパウロ国際美術展で川端実が入賞

1959年09月

サンパウロで開かれた第5回国際美術展の入賞者が17日発表されたが、日本は約150点を出品、そのうち川端実が入賞した。大賞は英国の彫刻家バーバラ・ヘプウォースであつた。日本からは徳大寺公英が審査に参加した。

ICSID第1回総会に小池岩太郎出席

1959年09月

ICSID(The International Council of Societies of Industrial Designers)の第1回総会が16日から18日までストックフォルムで開かれた(ICSIDは1957年創立)。カナダ、ドイツ、フランス、インド、イタリア、英、米、日その他各国のデザイン関係協会の会員が出席し、日本からはJIDA代表小池岩太郎が出席した。

文化勲章選考委員きまる

1959年09月

文部省は今年度の文化勲章選考委員会委員、同文化功労者選考審査会委員に次の10名を推薦、8日の閣議で正式に決定した。 元文相 天野貞祐(哲学) 東大学長 茅誠司(物理学) 慶応義塾々長 奥井復太郎(社会学) 東大名誉教授 瀬戸象二(工学) 国立西洋美術館長 富永惣一(美術) 作家 大仏次郎(文芸) 日大医学部長 比企能達(医学) 東京教育大名誉教授 福原麟太郎(英文学) 日本芸術院会員 山口蓬春 音楽評論家 牛山充

源氏物語絵巻展

1959年09月

1日-13日 於東京国立博物館 東京国立博物館、徳川美術館共催、川面義雄氏の徳川本源氏物語絵巻の木版複製完成を記念して開催されたもので、原本と複製を同一会場に陳列して、比較ができるようになつていた。原本の優秀さと、木版技術の限界が対照され、まことに興味深く鑑賞できた。

アンデス遺跡展

1959年08月

東京大学では、アンデス地帯調査団を組織し、昭和33年初夏から約半年にわたつて同地帯を、地理学、考古学の両面から調査、研究し多大な成果をあげ昨年末帰国した。この展覧会は、その際の調査によつて得た資料によるもので、ペルー政府の好意で東京大学に贈られた品である。読売新聞社主催、外務省・文部省・ペルー大使館・ボリビア領事館・東大アンデス地帯学術調査団の後援で18日から30日まで東京新宿伊勢丹百貨店で開催され、更に、来年1月迄、仙台、大阪、横浜、名古屋、福岡の各地でも展観される。

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