美術家代表団の中国訪問
1975年06月中川一政を名誉団長とし、宮川寅雄を団長とする美術家代表団の一行(脇田和、中根寛、高山辰雄、吉田善彦、平山郁夫、加山又造)は、10日、中国人民対外友好協会の招きで中国を訪問した。美術家代表の訪中は9年ぶりのことである。
中川一政を名誉団長とし、宮川寅雄を団長とする美術家代表団の一行(脇田和、中根寛、高山辰雄、吉田善彦、平山郁夫、加山又造)は、10日、中国人民対外友好協会の招きで中国を訪問した。美術家代表の訪中は9年ぶりのことである。
昭和47年7月12日の集中豪雨の山崩れで全壊した釈迦堂および同堂安置の釈迦三尊がこのほど修復が完了し、10日落慶法要が営まれた。
唐招提寺開山御影堂(旧一乗院を移築)内の障壁画を制作中であった日本画家東山魁夷は上段の間に「山雪」10面、大広間に「濤声」16面を完成、3日奉納式が行われた。
東京国立博物館で、3日から7月20日まで開催、奈良時代以来、江戸前期までの各時代で用いられた中国陶磁器の出土品249件を展示した。
神奈川県箱根の彫刻の森美術館主催ビエンナーレ(隔年)第2回展は、2日から11月30日まで開催され、大賞に伊藤隆道「まわる曲線のリング」、篠田守男「テンションとコンプレッション4304」が選ばれた。
ソ連文化省、朝日新聞社主催によりこれまで国外不出であったレーピン作「ボルガの舟曳き」など24点による展覧会が、27日から6月15日まで東京日本橋・三越を会場として開催された。
第2次大戦後ソビエトにあった福田平八郎の昭和10年代の作品42点がソ連政府より返還され、22日、外務省において贈呈式が行われた。
名古屋市の荒子観音寺で1,020体の円空仏が発見され、15日円空研究家ら関係者に公開された。なお、発見されたのは1昨年11月で、保管設備ができるまでその発表が控えられていたのである。
富岡鉄斎の作品を多数所蔵している兵庫県宝塚市の清荒神清澄寺内に美術館が完成、今後、随時鉄斎の作品が展観されることとなった。
国内外の現代美術品600点からなる日瀝化学工業社長池田英一の蒐集より財団法人池田20世紀美術館が、1日、静岡県伊東市に開館した。開館記念展「現代の人間像」。現代美術館として活動、運営されるとのことである。
奈良国立博物館開館80周年記念の催しとして、27日から5月25日まで開催、国宝15件、重文43件を含む総計160件を展示し、諸外国の遺例とあわせて、上代から近世初期に至る多種多様な変遷をもつ仏舎利信仰とその系譜を示した。
京都国立博物館の春季特別展として、日本経済新聞社と共催で26日から5月25日まで開催、源氏物語に取材した絵画、工芸、書跡など各時代にわたる作品を展示した。
かねてから老朽化が心配されていた桂離宮は、11日「桂離宮整備懇談会」(座長・村田治郎京大名誉教授)によって全面解体修理されることが決定した。
スイスの近代絵画の巨匠で、世紀末の代表的画家フェルディナント・ホドラーの展覧会が、スイス連邦政府の協力により、5日から5月25日まで東京上野の国立西洋美術館において開かれた。ホドラーの作品が組織的に紹介、展観されたのは初めてのことである(主催:国立西洋美術館、スイス・プロヘルベティア文化財団、朝日新聞社)。
昭和47年から3ヵ年計画で行なわれていた日光東照宮の廻廊の全面修理がこのほど終り、装いも新たに施されて見事によみがえった。
ベルギー王立美術博物館所蔵の浮世絵255点が、同館と日本浮世絵協会の主催する「浮世絵名作展」のため、このほど里帰りした。大阪を初め、札幌、東京、岡山、熊本、北九州の各地で公開される。その中には写楽の「二世市川高麗蔵の相模次郎」、「嵐竜蔵の奴なみ平」ほか春信の「五常」、歌麿の「青楼十二時続」など優品が含まれている。
理事長が反理事派の学長、教務部長の二理事を一方的に解雇し、被解雇者が地裁に訴え争っていた多摩美大の内紛は、29日までに東京地裁のあっせんで和解が成立し、解決をみた。
文化財保護審議会(田中義男会長)は、重要無形文化財の4名を認定し、永井文相に28日答申した。工芸技術部門―(刀剣研磨)本阿弥日洲、小野光敬。
今回指定された物件は、美術工芸部門では絹本著色普賢延命像1幅 広島持光寺蔵が国宝に指定されるほか、重要文化財には絵画の部17件、彫刻の部8件、工芸の部17件、書跡の部10件、古文書の部10件、考古の部4件。建造物部門では重要文化財に社寺その他6件、洋風建築1件、民家15件がそれぞれ指定された。
建築家吉田五十八を記念する「吉田五十八賞」がこのほど新設された。建築美術の優れた制作者に贈られるもので、未亡人寄贈による二億円の基金で吉田五十八記念芸術振興財団(理事長高橋誠一郎)が設けられた。対象は1―建築設計、2―建築意匠に関連する絵画、彫刻3―同じく工芸等の3部門で、各部門から各1点を選び、故人の命日である3月24日に第1回表彰を行い、以後毎年続けられる。選考委員は工芸家岩田藤七、彫刻家木内克、建築家谷口吉郎、村野藤吾、吉村順三、画家東山魁夷、杉山寧、小糸源太郎ら8名。賞金総額900万円内の予定。